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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十七話 談笑響く迷宮
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戦闘が終わった頃、ユウキがリョウをポカポカしたことは、言うまでもない。

────

「おーい、機嫌直せってユウキよう」
「ふーんだ!リョウがそんな大人げない人だと思わなかったよ!」
「少年の心を忘れないと言って欲しいねぇ」
「反省してなーい!」
プリプリと頬を膨らませて前を歩くユウキに、リョウは苦笑しながら少しからかい過ぎたかと頬を掻く。

「悪かった悪かった、お詫びに今度なんか美味いもん驕ってやるから、頼むから機嫌直せ、な?」
相手が相手なら食べ物でつろうとするような行為は逆効果なのだろうが……

「……何食べるか決めて良い?」
「(割とケロッとしてんなぁ)おう、勿論だ、食いたいもんあるか?」
予想通りと言うべきか狙い通りと言うべきか、ユウキはクルリと振り向くと、手を後ろに回してコテンと首をかしげる。シリカばりに素直なその反応に吹き出しそうになるのを何とかこらえて聞くと、彼女は間髪入れずに即答した。

「クレープ!」
「あ?なんだお前さんクレープ好きなのか?」
「うん!大好き!」
「ほぉ……おし、ならとっときのとこ連れてってやる」
少女らしいと言えばらしい好物ではある、ただ彼女は割と好物が多そうなタイプだと感じていたのだが、迷いなく即答するほどクレープが好物なのか。

「とっておき!?へぇぇ……リョウって甘い物のお店知らないかと思ってた」
「ハッ、舐めんなよ?オレはこれでも甘味類にはうるせぇぞ?」
「えー?なんか「意外なんだろ、もう言われ飽きたっつーの」そんなに言われてるんだ」
やや食傷気味な評価に苦い顔をしたリョウを見て、ユウキは愉快そうにケラケラと笑う。リョウは面白くも無さそうに鼻を鳴らすと、歩きながら懐からモスミントの煙棒を取り出して先端をトントントンと叩いた。

「あー、歩きタバコは駄目だよー?」
「タバコじゃねーです、見た目だけだし熱くねーし」
薄緑色の煙をくゆらせながら、彼は肩をすくめて少し意地の悪い笑みを浮かべたユウキを見返すと、そう言やあと前置きして尋ねた。

「話変わるけどよ、お前さん剣の扱いはどこで最初に覚えたんだ?初めから戦闘メインのMMOやってた訳じゃねぇんだろ?」
「うん、ボク達、初めは、セリーンガーデンで遊んでたから。セリーンガーデンは《ハウジング》っていうのがゲーム要素のメインのだったんだけど……」
「あぁ、某《〜〜〜〜の森》みたいなやつか」
「え?なにそれ?」
「2000年代の初めから最近まで続いてる、人気のハウジング系ゲームシリーズでな、こないだ久々に新作が出た」
ハウジング系ゲームと言うのは、文字通り自分の家を立て、その内装をカスタムして楽しむゲームの事だ。リョウが挙げたシリーズの作品を始め、戦闘要素が少なく、のんびりと楽しめるタイプのタイトルも
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