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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十七話 談笑響く迷宮
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る事はせず、即座に別の一体に接近しては斬りつけ、また離脱。
周囲が全て敵という状況の中で、彼女は決して一体に長く関わろうとはせず、超至近距離まで接近して斬りつけては即座に離脱を繰り返す。しかしならば彼女が何の作戦も無くただ一撃離脱を繰り返しているかというと、そうではない。彼女はある一定の範囲のみでその動きを行っているからだ。部屋にひしめき合うドラウグルがユウキに向かって集中していけば行くほど、その周囲のMobの密度は高まり、必ずユウキに関わる事が出来ない個体が出る。そう言った個体は無視して、ひたすら至近に居る個体にダメージを蓄積させ、そして一定以上までダメージが溜まったところで……

「せぇ、のっ!!」

片手直剣 水平四連撃 ホリゾンタル・スクエア

ユウキ自身を囲むように放たれた正方形を描く残光が、拡散するように彼女の周囲を囲み、消える。同時に、ユウキの周囲に群がるように殺到していた干からびた死人の集団が、同時に4体爆散した。おおよそ片手剣で行ったとは思えぬほどの殲滅力。ユウキ自身も「即興で行った」それが上手く行った事に気分を良くしたのか、ニコリと笑ってリョウの方を見る。如何に自分よりも間合いの広い武器を使っているとは言っても、これならば流石に──

「ソォ羅ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
雄たけびを上げて、巨大な刃を持つ長柄の得物が振り回される。まるで暴風の如く荒れ狂うその一閃の下に3体ほどのド?ウグルが空中高く吹き飛ぶ。

「へ……」
その全てが、床に落下するよりも早く空中で爆散し、水色のポリゴン片となってリョウの周囲に降り注いでいた。あまりにも出鱈目なその光景に、ユウキの口は半ば彼女の意志とは無関係に開き……。

「ず……」
「これで、八ィ!!」
「ズルぅい!!!?!?」
まったくもって正当かつ素直な感想を吐き出した。

「はっはぁ!片手直剣に薙刀が雑魚の掃討で負けるかよ!この勝負貰ったぁ!!」
「ズルい!リョウそれズルいよ!フェアプレーは!?」
「フェアプレーだぁ!?んなもんこないだ間違って燃えるゴミに出したね!!」
「フェアプレー燃やすなー!?」
言いながらも二人は周囲に群がるド?ウグルを次から次へと撃破していく。が、そのテンポは明らかにリョウの方が優っている。細かいダメージを蓄積させて範囲攻撃で仕留めるユウキと、広範囲に高火力をばらまくリョウとでは、こと殲滅力と言う点においては勝負になるわけがないのだ。

「酷い酷い!リョウ最初から分かってたんだぁ!!」
「やる前に気が付くべきだったなぁお嬢ちゃん!!」
余りにも子供っぽい(ほぼ片方が原因だが)言い合いをしながら戦い続けた二人は、ほんの数分ほどでドラウグルたちを殲滅していった。終わった後、互いのスコアは9対16、ただ
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