純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 11
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
vol.15 【紛う方なき説明回 byくろすつぇるさん】 ※二本立てです
「これで、よし……っと! プリシラ様、食材と贈り物の梱包作業はすべて終わりました」
「ありがとう、ミートリッテ。じゃ、後は荷物持ちの到着を待つばかりね。『彼ら』が来る前に、最終確認しときましょうか」
次期大司教第一補佐の、応接と執務を兼ね備えた部屋の中。
作業を終えたミートリッテさんが、柱に擬装した扉の前に荷物を積んだ。
窓枠の上部と同じ高さまで積まれた荷物を、プリシラが一つずつ確認。
問題なしと判断した物から、次期大司教の執務室へと運び出していく。
荷物持ち、か。
裏でこんな呼び方をされていると知ったら『彼ら』はどう思うのだろう。
広い意味では、これも人助けの一環。職務の一つと言えなくもないが。
場所柄、そして『彼ら』の役職名を考えれば、プリシラの呼び出しなど、明らかに通常任務の範囲外だ。
にも拘わらず、御用とあれば問答無用で大集合とは。
さすがは中央教会に棲む女悪魔。
限りなく増え続ける協力者。
どこまで行ってもブレない奇跡。
王国の明日は、無駄にド派手に輝きそうだ。
誰か止めてください、と言いたいところだが、不可能なのは解っている。
何故なら『彼ら』を中央教会へ派遣してほしいというプリシラの脅は……もとい要請に応じたのは、アルスエルナ王国の最高権力者である現王陛下、その人なのだから。
聖職者が権力者をいいように操ってはいけません!
などと、悪魔に対してまともなツッコミを入れられる勇者は、残念ながらこの国には存在していなかったようだ。
哀れ、国内の『生贄』達。
最早、逃げ場はどこにも無い。
「では、私は少々お出掛けして参りますわね。帰りは明日の夜か、明後日の昼頃になるでしょう。女神及び人外秘匿に関する具体案の提示はその後で。私が戻るまでの間、貴方方が気を付けるべきことは?」
「「「「「見つからない暴れない。仕事は自主的かつ迅速対応で」」」」」
「はい、結構です」
にっこりと満足そうに、艶やかな笑みを浮かべる貴女。
百合根の下拵えは貴女の命令ですよね?
我々が自主的に取り組んでいるわけではないですよね?
それは構わないのですか、そうですか。
執務室側と寝室側、双方の壁沿いで、天井付近までびっしり高々と置かれ積まれた百合根入りの木箱を見上げて、際限のなさにそっと息を吐いた。
中央教会に居る筈がない、複数の生命体。
よって、本来なら出る筈がない食費と活動の気配。
されど、匿うのであれば出さないわけにもいかない飲食物と生活費用。
当面掛かるこ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ