暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 11
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の辺りをプリシラがどう評価するかが鍵になると思うんだよな)」

 ホレ、サボってると見られたら厄介だぞと、転がった鱗茎を手渡される。
 剥きかけの鱗片に指を掛け、浅いため息を吐くと同時にぺりっと剥がす。

 実際のところ、プリシラが相手の何を見てどう評価し、裁定しているか、詳しい内情は誰にも判っていない。判定を下されてきた人間の共通点から、多分こうだろうと当たりをつけているだけだ。
 殿下の推測など、希望と呼ぶにはあまりにも淡く、儚い。
 だが。

「(すがるしか、ありませんね)」

 アルスエルナ王国に数多居る『生贄』達の為にも。

「(ああ、そうだな)」

 どうか、これ以上プリシラが暴走しませんように、と。
 私と殿下は呼吸を揃えて、ザルの中に鱗片を落とした。

「「…………?」」

 フィレスさんとリーシェの、不思議そうな目線に晒されながら。



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