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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第24話:不器用
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「だ、大丈夫?テイルモン?」

「あ、ああ…いきなり何をするんだお前は!?」

「お前こそ何してんだ馬鹿」

「ば、馬鹿!?」

顔を真っ赤にして殴りかかるがブイモンは難なくそれをかわしながら口を開いた。

「こういう時こそお前がヒカリに見せなきゃいけない物があるだろ」

「見せなきゃいけない物?」

再び殴り掛かろうとした手を止めて訝しげにブイモンを見つめるテイルモン。

「笑えよ」

「え?」

「今、ヒカリに見せなきゃいけないのはそんな顔じゃないだろ?ヒカリを安心させるために必要な顔は笑顔だろうが、言葉だってそう、謝るんじゃなくて安心させるための言葉を言えよ…ヴァンデモンがこの世界に来るのは必然みたいなもんだ。どうせお前がいなくてもヴァンデモンはこの世界に来たに決まってるし。」

「………」

「今はウィザーモンのこととか色々あって辛いだろうけどさ。まあ、愚痴ぐらいならいくらでも聞くぞ?取って置きの苺チョコを肴に苺牛乳飲んでさ」

「だから甘い物摂り過ぎるなってあれほど…」

大輔が額に手を置いたが、ブイモンはテイルモンの頭に手を置いて構わず話を続けた。

「まあ、とにかくそのしょんぼりした顔は止めろ。元々酷い顔が更に酷くなるぞ〜。それ以上酷くなったら、流石に他人のふりしちまうぜ?」

「な、何ですって〜!?」

「おっと、さよなら〜」

顔を真っ赤にして怒鳴るテイルモンから脱兎の如く逃げ出したブイモン。

テイルモンは息を荒くしながらブイモンが触れた部分に触れた。

そこにはまだブイモンの手の感触が残っている。

「何よ…馬鹿…」

元気づけるためにあんなことを言ってくれたくらいは分かる。

嬉しいような恥ずかしいような感情がテイルモンの中で渦巻いていた。
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