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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第56話 リシャール大佐との決戦
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も年下で妙に戦い慣れていることに」
「そんなのリート君が強いだけなんじゃないの?八葉一刀流って父さんも使っていた流派なんだし。ねえヨシュア」
「ああ、確かに気になることはあるが今はそんなことを考える必要は……ぐうっ!?」
「ヨシュア?」


 あたしはヨシュアに同意を求めたが、ヨシュアは突然頭を抱えて黙ってしまった。


「ヨシュア、どうしたの?」
「……確かに薄々思ってはいたんだ、リート君は妙に戦闘に関して場慣れしている。いくら八葉一刀流の使い手とは言え唯の子供があそこまで冷静に戦えるものなのか?それに妹のフィル、彼女こそおかしいじゃないか。どうして特務隊の連中とあそこまで渡り合えるんだ?普通の子供ならあり得ない……」
「えっ、急にどうしたのよ。何でそんなことを言い出すの?」


 普段のヨシュアなら戦闘中に余計な事を考えたり話したりはしない、そういう怪しいと思った人の事などはあたしと二人の時に話すはずだ。
 確かにリート君は時々年下とは思えない雰囲気を出したりしていたし、フィルも年下のはずなのに戦いに慣れているなぁとは思ったこともある。でもリート君は困っている人をほうっておけないお人よしな子だしフィルも孤児院の子達やテレサ先生にあんなに好かれているんだから悪い子達じゃないとあたしは思うしヨシュアもそれに同意してくれた。
 それなのに急にリート君とフィルを疑うような事を話しだすなんてヨシュアらしくないとあたしは思った。


「どうやら彼は気になることがあるみたいだね。こうやって話してみると彼らは少し怪しいと思わないか?」
「ぐっ……でもそれがなんだって言うのよ。リート君もフィルもあたしの仲間よ、変な事を言ってあたし達を撹乱させようたってそうはいかないんだから!」
「私も彼らを調べたが、どこの国にもリートとフィルという人物とあの二人が一致する情報は無かった。つまり彼らは偽名を使っている可能性がある」
「でも父さんの知り合いだったわ!怪しいわけなんてないじゃないの!」
「そう、カシウスさんの知り合いだからこそ見逃してしまっていたのだよ。カシウスさんは過去にある大事件を解決する為の作戦を指揮したことがある、その時にある人物と交流をかわしたことも私は調査して知ったのだ」
「ある人物……?」
「その人物とはルトガー・クラウゼル。大陸でもトップクラスの実力を持つ猟兵団『西風の旅団』を率いる男だ」


 猟兵……あたしはまだ一度も見た事が無いけど、確かミラ次第でどんな事でもするという奴らの事ね。遊撃士と対立することもあり、この国では猟兵を雇う事を法律で禁止しているくらいの危険な集団だと話には聞いているわ。


「彼には二人の子供がいた、黒い髪の少年と銀の髪の少女……二人の名はリィン・クラウゼル、フィー・クラウ
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