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小木曽雪菜の幼馴染
小木曽雪菜という少女
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いた。



ねえ、鈴科君、私ね……



……けんな

ざけんな……ッ!

ふざけんじゃねェぞ!

片想いの念を抱いていた男が雪菜に告白した?

自分はその男性が好きだった、だァ?

好きな男を取られた、だァ?

友達だったのに、友達だと信じてたのに、だとォ?

全く、とんだ勘違い野郎で反吐が出るぜ

自己正当化がお上手なアマだぜ、クッソタレが

ふざけるのも大概にしやがれ

それはテメェら三下の勝手な、一方的な都合だろうが



泣いていたんだ

こんな自分にも笑顔を向けてくれる彼女が

儚く、とても寂し気に、涙を拭いながらも泣いていやがったんだ

自分を照らしてくれる光は曇り、彼女は目元を赤くしながら涙を流していた




えへへ、鈴科君(・・・)、私、友達に嫌われちゃった……




 誰かの為に怒りを覚えたのは初めての経験であった。
 湧き上がるは全てを焼き尽くさかんばかりのマグマの如き怒り

下らねェ

実に下らねェ

そんな下らねェ理由で……





テメェら如き三下がアイツ(・・・)を、"小木曽雪菜"を泣かせて良い理由にはなんねェだろォが!!!





『おい、三下のド屑共』





つーかオマエ、俺のことを"百合子君"って呼ぶんじゃねェ
缶コーヒーばかりだと栄養が偏っちゃうから、私も食品を選ぶのを手伝うね!
聞いていやがらねェ、こいつ……

あと、オマエ(・・・)じゃない。私の名前は小木曽雪菜
今はそういうこと言ってんじゃねェよ

小木曽雪菜!
いや、だから……

雪菜!
チッ、雪菜さん。これで満足ですかァ?

よし、それじゃ、先ずは私の家に行こう!
はいはい、しょうがないですねェ

 大層な願いなど望まない。
 ()が笑っていてくれればそれ以上は望まない。

 ただ、君と出会った時の様に"すずじなくん"と名前を呼んでくれさえすれば俺は……

 それは過ぎ去りし、一人の孤独な少年と少女の記憶







「仮にも女の子の部屋に断りも無く入って、ベッドの上で眠りこけるなんて流石だね」

 私室のベッドで静かな寝息を立てる彼を見下ろす。
 彼の寝顔はとても穏やかだ。

「ふふ……」

 私はベッドに腰掛け、彼の頬を人差し指でつつきながら彼の寝顔を堪能する。

「えへへ……」

 警戒心が高い彼が無防備に寝顔を見せてくれているということはそういうことなのだろう。
 それは信頼の証

 彼は私を特別視(・・・)してくれている。
 それは本当に嬉しいことだ。

「ねえ、鈴科君(・・・)……。あ
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