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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第5話:これから
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リ。

裕子が空っぽになった大輔の茶碗にご飯をよそいに行った時。

「あ…」

然り気無く大輔がミニトマトをヒカリの皿から取ると、ヒョイと口の中に放り込み、笑みを浮かべながら咀嚼した。

「(ありがとう…大輔君)」

こういうさり気ない優しさがヒカリの胸に暖かい物を灯すのだ。

裕子はヒカリの皿のミニトマトがないことに気付き、何となく理由に気付いたが、この良さそうな雰囲気を壊すのもどうかと思ったので黙っていた。

「ただいま〜」

「あ、お兄ちゃんだ」

「んん?」

「お帰り太一。」

「ただいま、ん?誰か来てんのか?」

ヒカリの兄でゴーグルが特徴的な少年である太一が帰宅してきたので裕子が帰ってきた太一を出迎える。

「大輔君よ。何時もヒカリを家にまで送ってくれるあの子よ」

「ああ、あいつか…何であいつまで?」

「あのねえ…ヒカリを毎日送り届けてくれてるのよ。お礼しないと失礼でしょうが」

「ふうん…よし、大輔とか言う奴の顔を拝みに行くか」

太一はリビングに行き、ヒカリの隣で食事をしている大輔を発見。

「あ、お兄ちゃん。お帰りなさい」

「おう、ただいま…おい、お前」

「?」

「“お前”じゃなくて大輔君!!」

“お前”と言う呼び方が気に入らなかったのかヒカリは珍しく声を荒げた。

「い、いや…えっと…お前が大輔か?何時もヒカリを家にまで送ってくれてありがとな」

珍しく声を荒げた妹に冷や汗を流しながら太一は大輔に礼を言う。

「え?あ、ああ…別に俺が好きでしてることだし…」

大輔も滅多に怒鳴ることがないヒカリに驚きながら太一の言葉に答える。

「そ、そうか…これからもヒカリと仲良くしてやってくれよな」

「は、はい…」

ヒカリの怒りの視線にビクつきながら(大輔も隣で冷や汗を流している)、大輔にこれからもヒカリと仲良くして欲しいと告げて、大輔も顔を引き攣らせながら頷いた。

一方本宮家では…。

「うーん、モグモグモグ…やっぱり…ングングング…大輔達が休みの日に…一気にやるしかないのかな…アグアグアグ…」

大輔の部屋で晩御飯を食べながら呟くブイモン。

あまりにも行儀が悪いが、止める存在がいないのでどうしようもない。

「ブイモーン、お風呂に入ってしまいなさーい!!」

「ほーい」

取り敢えずは今まで通りにすることにして風呂に入ることにした。

風呂上がりにキンキンに冷やしたコーヒー牛乳を楽しみにしながら…もうすっかり現実世界に馴染んだデジタルモンスターである。
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