暁 〜小説投稿サイト〜
デジモンアドベンチャー Miracle Light
第3話:夢の候補
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大輔とチビモンがヒカリから光が丘爆弾テロ事件の全貌を聞いてから更に数週間が経った。

最初は異性同士と言うことで慣れないうちは付き合い方がぎこちなかった2人だが、今では仲良く会話する機会が格段に増えている。

これに対して喜んだのはヒカリの両親であり、光が丘爆弾テロ事件のせいで内向的になってしまった長女がかつての明るさを取り戻しつつあるからだ。

「大輔君」

「あ、ヒカリちゃん。」

チビモンの食事関係で色々助けてもらっているうちに(チビモンは見た目によらず大量に食べるため、ヒカリが持ってきてくれるお菓子は本当に助かる)、大輔とヒカリは互いに名前呼びするようになった。

「今日は家からビスケットを持ってきたよ」

「おお、ありがとうヒカリちゃん。本当に助かるよ…実際チビモンの食う量が半端じゃなくてさ…」

ヒカリからビスケットの箱を受け取るとお腹を空かせたチビモンにビスケットを与える。

「可愛い…」

早速貰ったビスケットを美味しそうに頬張るチビモンにヒカリは笑みを浮かべながらチビモンの頭を撫でた。

「なあ、ヒカリちゃん。明日の土曜日は暇?何も用事無い?」

「え?土曜日?…うん、何も無いよ?」

「そっか、良かった。じゃあ、俺の家に遊びに来てくれよ。ヒカリちゃんに日頃のお礼をしたいしさ!!」

「お礼?いいよそんなの。私がしたいからしてるんだもん」

こうしてチビモンと遊べるのは楽しいし、お礼をされる程ではないとヒカリは思うのだが。

「駄目駄目!!そんなんじゃ俺が母さんや姉ちゃんに怒られちゃうよ!!」

女の子に助けられてるなら相応のお返しをと言うのを母親と姉から言われているのだ。

「…じゃあ、お邪魔していいかな?」

「勿論、ヒカリちゃんにクッキーを焼いてやるよ。」

「あ、大輔君。お菓子作り出来るんだよね?もしかしなくても理由はチビモン?」

「やっぱり分かる?チビモンがさ、甘いお菓子を気に入っちゃってさ…家中のお菓子を食べちゃってさ〜。もう母さんは怒るわ…姉ちゃんは長い時間店に並んで手に入れたチョコレートを食われて真っ白に燃え尽きるわで大変だったんだ。だから、チビモンの餌は俺が作ることになったんだ。」

ジュンの燃え尽き方は本当に半端じゃなかったのは今でも大輔は覚えている。

当然と言えば当然だろう。

開店前に店に並んで眠気や待たされる苛立ちを堪えながら手に入れた激ウマチョコレートを自分が食べるよりも先にチビモンの胃袋に収まってしまったのだから。

「まあ、少なくてもチビモンは美味い美味い言ってるから不味くはないと思う。ヒカリちゃんは何のクッキーが食べたいんだ?」

「えっと…」

「(チョコ!チョコ!チョコ〜〜!!)」


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