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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第17話
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が繰り広げられたということは、この主張に賛同しなかった者も多かったということだ。その理由は2つ。まず、地球は既に軍事的に限界が近く、経済的には破綻していた。戦争どころではない、というものだったが、レビル中将の、ジオンは連邦以上に疲弊しているという主張によって相殺された。問題となったのはもう1つの方で、基本的に、条約とは国家間で結ぶものなのだ。戦時条約を結ぶということは、ジオン公国を連邦政府の管下に置かない独立国として遇することであり、ジオン公国の独立を認めるということに他ならない。それでもタカ派は条約締結を優先した。
 つまりジオン公国の存在を公的に認めたのだ。ジオン公国が独立を果たした瞬間であり、地球連邦政府が外交的に敗北を喫した瞬間だったが、地球連邦政府は強かだった。独立は認めるが、戦争は続ける。蛮族戦法を封じて紳士的な殴り合いなら遥かに分があるからだ。
 今は負けた。独立も認めよう。だが最後に勝つのは地球連邦で、勝てば全てを無かったことに出来る。それが勝者の特権で、故に勝てばよかろうなのだと言わんばかりの思考は完全に悪役のソレだが、地球連邦政府は対立者を武力で脅し、捩じ伏せ、殺し、生き残りを宇宙に追放したことで成立したという経緯を思えば、連邦政府に善性を求めるのはお門違いも甚だしい。
 そんな悪役を相手にしているジオン公国だが、ジオン公国とで善ではない。元々がラフプレー上等の無法者なのだ。ノールール殺法は封じられたが、それはあくまで条約を結んだジオン公国の話である。ジオン公国以外のラフプレーまでは責任を負えないのだから、ラフプレーは他人に任せれば良い。その他人は自分達で用意しても良いし、外注しても良い。そうしてジオンの手札に加わった鬼札の一つがリリアナなのだ。
 問題は、この他人はジオン公国が用意した他人ではなく、本当に完全に他人であったということだろう。その為、ジオン公国に協力的だがあくまで他人なので勝手気ままに振る舞っている。そんな他人を自分の為に働かせるには、その分の手間賃が要る。自分の為に働かせた事を黙っていさせるには口止め料が要る。意思に反することをさせるなら、頭の一つも下げねばなるまい。
 概略を理解したレンチェフの口がへの字を描く。

「その窓口が俺というわけか」
「違う」
「違う? じゃあ俺はなんでここに来させられたんだ?」

 ストレイドは即座に否定したが、レンチェフの疑問はもっともだ。腕を組むレンチェフに対し、ストレイドはぐっと身を乗り出した。

「ミスター、私達は、リリアナはミスターに非常な期待を寄せている」
「お、おう」
「あの緑の巨人なら、私達のACでは難しかったことも、或いは実現できるかもしれない」
「エーシー?」

 緑の巨人というのはザクのことだとして、エーシーとは何か。

「ACっ
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