第十話
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忘れはしなかったが。
話が纏まるとマゴットから特別実習の課題だという封筒を渡された。
一階でビールを飲んでいるサラに一声かけた後、外に出て封筒を開け中の紙を取り出し確認するとそこには『ケルディック周辺200セルジュ以内で執り行う事』という注意書きと共に
薬の材料調達
壊れた街灯の交換
東ケルディック街道の手配魔獣
といったような、まるで学院や遊撃士の依頼のような内容が書かれていた。
「な、なにこの内容!?」
「必須の項目とそうじゃない項目があるけど……。」
エリオットの言うように中の依頼はやらなければならないものとやらなくてもいいものに分かれていた。
一同が悩んでいたのでカイムは少し状況を動かす事にした。
「必須なのだけやればあとはレポートやら観光の時間に使えるかもな。」
「え?」
「そ、それはちょっと……。」
「こうして記されている手前それはどうかと思うぞ。」
「んー?悩んでるみたいだし意見の一つを言っただけだぜ俺は。」
「いや、それはそうだけど……。」
カイムの意見にアリサ、エリオット、ラウラがそれぞれの反応を示す中、リィンが口を開いた。
「あんまり悪ぶった言い方しなくてもいい、ようはそこも含めて特別実習って言いたいんだろ?」
その言葉に三人がリィンに視線を向ける。
「自由行動日にやった生徒会の手伝いが似たような感じだったんだ。旧校舎の探索ってハードなのもあったけど他は簡単な手伝いとかで一通りこなしてみると学院やトリスタの街について理解できたことが多かった。多分そういうのも目的の一つなんじゃないか?」
つまり依頼を通して自分の足でケルディック……実習先の実情を自分達なりに掴めということであるという趣旨なんだろうと結論を出して、一同はまず周辺を回りながら依頼をこなすことにした。
「やる事は決まったか?じゃ、行こうや。」
「私としてはなんで気付いていたであろう私達が出した結論を言い出さないであんな事を言ったのかを聞きたいんだけど?」
「そういえばカイムはリィンと一緒に依頼をやってたよね?」
「あの二人に注意しながら自分で不和を生もうとするのは感心しないと思うのだが。」
リィン以外の三人のジト目を受け、どうしたものかと思いながらリィンに助けろと視線を向けるが彼からの返答は素直に言っておけとのことだった。
カイムは溜息をつきながら白状し始めた。
「あれだ、サラに止められてたんだよ。できるだけ口を出すなってな。変に場慣れしてる人間の意見より同じラインの人間同士で出した意見のが実習らしくなるだろ?」
「そんな一
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