第5話 第六次イゼルローン要塞攻防戦
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しつつ敵艦隊に打撃を与え、敵の意図を挫く。
まあ、敵司令部に突入するのはラインハルトに任せとくか。
俺はそんな危険なことはしないのだ。
味方が勝っても俺が死んだら意味ないからな。
成功すれば前哨戦の戦果と合わせて中将に昇進できるだろ。
ミュラーも大佐にしてやれる。
よし、そうと決まれば善は急げだ。
<ミュラー>
アドルフ・フォン・ハプスブルク公爵……門閥貴族の筆頭、ハプスブルク公爵家の現当主とは思えないほど気さくな方だ。
いつも「眠い」と言って書類を部下に丸投げして本人は爆睡していなければ………、私室がフィギュアとエロ本だらけでなければ………、旗艦ヴァルトブルクのコンピューターにエロゲームやエロ画像をインストールしてなければ………、俺は素晴らしい人物だと絶賛できたかもしれない。
俺の見たところ、ハプスブルク公は軍人としてはそれなりに優秀だ。
当初の20戦余りは指揮を俺に丸投げしていたものの、先日の半包囲突破や疑似突出における撤退行動は見事の一言だった。
今俺の目の前にいるのと同一人物とはとても思えないが……。
能ある鷹は爪を隠す……というわけか。
ん?
この顔は……また何か良からぬことを企んでおられるな。
* * *
「ミ、ミサイル群確認!直撃、来ます!」
「何ぃ!」
ホーランド少将率いるミサイル艦を主力とした襲撃部隊は、同盟軍主力艦隊を囮としてトールハンマーの死角から多数のミサイルを放ち、イゼルローン要塞の外壁に傷を負わせることに成功した。
ここで帝国軍が焦って艦隊を呼び戻せば、同盟軍は前回のように並行追撃作戦を行っただろう。
帝国側もそれは分かっているため要塞表面に備えられた浮遊砲台で応戦するが、勢いに乗ったホーランドの襲撃隊はここぞとばかりにミサイルを次々と浴びせかけて浮遊砲台を破壊していく。
そこへ、ラインハルトに先んじたハプスブルク艦隊3000隻が側面から猛然と襲いかかった。
<ラインハルト>
ちっ、ハプスブルクに先を越されたか。
まあいい。
「そこの敵はハプスブルク艦隊に任せ、我々は敵の艦隊主力を攻撃する」
それにしても、俺と同じように敵の狙いを見抜いたか。
ヴァンフリートといい今回といい、門閥貴族にしてはやるではないか。
おもしろい、無能ばかりでは張り合いが無いからな。
さて、今は目の前の敵に集中するとしよう。
* * *
ハプスブルク艦隊がホーランドの襲撃部隊に襲い掛かるのを見たラインハルトは、両者を尻目に同盟軍本営へと殴り込みをかけた。
同盟軍主力とラインハルト艦隊の兵力差は、ほぼ15:1。
本来なら勝負にすら成らないはずであるが、回廊の危険宙域とトールハンマ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ