暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者
修行U
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れは放たれてはならないものだと即座に理解した。

 生物の生存本能が警鐘を鳴らす。
 あれは自分達をいとも簡単に滅ぼし、絶命へと至らせるモノだと

「血迷ってもこれを迎え入れようなどとは考えないでください」

「全神経を集中し、全力で回避に専念しなければ……」




死にますよ?




 死への恐怖から冷や汗を止めどなく流すリアスと朱乃が脇目を降らずに全速力でその場から離脱する。
 そして遂に、周囲を蒼く染め上げていたエネルギーが掌に集まり、ウィスから放たれ……

 





 武舞台が消滅した。

 天へときのこ雲が立ち昇り、周囲の景色が瞬く間に一変する。
 大地が更地と化し、爆風がリアスと朱乃を軽々と吹き飛ばした。



何て威力なの……ッ!?



 今のは正に最上級の悪魔にも迫る一撃
 当人が息を吐く様にその一撃を放っていることにリアスは驚きを隠せない。

「ほら、休んでいる暇はありませんよ」

 爆煙により視界が不明瞭な状況でもウィスは容赦などしない。
 無数のエネルギーの塊が周囲の空間の全てを埋め尽くしていく。
 空は満天の蒼模様

 その全てがウィスのエネルギーだ。
 今なおその数は増え続け、天を覆いつくしていく。

「嘘、でしょ……」
「何て数なの……」

 呆然とその場に佇み、天を仰ぎ見るリアスと朱乃
 
「攻撃することだけが戦いではありません。防御と回避も立派な戦法の一つです」



ライザーに勝ち、夢を追い求めるのならばこの程度の試練越えてみせよ



 ウィスはリアスを見据え、遂にエネルギーの本流を解き放った。
  
 火を噴いた無数のエネルギー弾が瞬く間に地を抉り、砕き、地割れを引き起こしていく。
 2人は死に物狂いで翼を動かし、回避するしかない。

 気を抜く暇も存在せず、逃げの一手を選択するしかない。
 死への防衛本能から軋む身体を無視し、リアスと朱乃は逃げ惑う。

 避けることの出来るギリギリのラインで放たれたエネルギー弾は刻一刻と彼女達を追い詰めていく。
 エネルギー弾が大地に被弾し、地を容易く破壊し、風穴を開ける。

 この状態で逃げ続けたところでいずれ限界が訪れることは自明の理であり、リアスと朱乃もそれは理解しているはずだ
 そうなれば彼女達がこの場を生き残るために更なる成長を遂げるしかない。
 今の彼女達の実力ではいずれエネルギー弾が被弾し、瞬く間に地に伏すことになるだろう。
 
「どうしました、その程度ですか?」

 ウィスが問いかける。

「言ったはずです。防御も回避も立派な戦法の一つだと」

 ただ逃げ惑うリアスと朱乃へとエネルギー弾を落とし、
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