暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者
修行T
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追い込まれる厳しい修行であったが、修行後のアフターケアは及第点以上と断言出来る。

 文句を言える立場ではないことは分かっているが、如何に自分が恵まれているかを実感せざるを得なかった。

「本当に至れり尽くせりね……」
 
 リアスの濡れた魅惑的な髪から鎖骨にかけて湯が流れ、湯船の中へと消える。
 肌は潤い、その身目麗しい肢体がツヤを増していく。

「お湯加減は如何ですか?」

 そんなリアスの背後からウィスの声が聞こえた。

「悪くないわ」

「そうですか。それは何よりです」

 湯加減は悪くなく、修行にて蓄積した疲労が回復していく。
 リアスはその紅き髪を耳元にかけ、背後へと振り返る。

「……それで何の用かしら?」

 浴槽の前にはウィスが杖を片手に持ち、佇んでいた。

「いえ、ただリアスに個人的に伝えたいことがありまして」

 ウィスは宙から珍妙なデザインが施された杖を取り出し、タイル造りの床に軽く打ち鳴らす。

 途端、杖の先端の球体が点滅しながら光り出す。
 淡い光が杖から放たれ、ウィスの頭上へと放出された。

 やがてその光は空中にて球状に形成され、宙にてホログラムの様な映像を映し出す。

「リアスは今回の対戦相手でライザーが"フェニックスの涙"を用意していることは知っていますか?」

 フェニックスの涙、冥界にて高値で取引されている回復アイテム
 当然、ライザーも今回のレーティングゲームにてフェニックスの涙を使用してくるだろう。

 映像越しにライザーがフェニックスの涙を自身のユーベルーナに渡している光景が見えた。

「何ですって!?フェニックスの涙を!?」

 予想外の事実にリアスはこの場にウィスがいることも忘れ、立ち上がる。
 そうなれば当然、湯気で多少は隠れようと、リアスの魅惑的かつ魅力的な肢体がウィスの前に惜しげもなく晒されることになった。

 弾力のある魅惑的な双丘
 女性の理想像を体現した黄金比の肢体
 紅き髪が鎖骨に張り付き、非常に誘惑的な色香を放っている。

 だが、ウィスは驚いたとばかりに口元に手を当て、変わらずリアスを見据えている。

「前が丸見えですよ、リアス」
「……ッ!?」

 ウィスの指摘に今の自身の現状を自覚したリアスは勢いよく湯船に身体を沈める。
 湯船に顔を半分近く沈め、恥ずかし気に頬を染め、気泡を止めどなく口から吐き出している。

 頬は今にも爆発しそうな勢いで真っ赤であり、ウィスの方を向こうとしない。

 そんな恥ずかし気に背を向けるリアスの背後で服が落ちる音が聞こえた。



「さてそれでは私も入るとしますか」

 途端、リアスは口から驚きの声を上げ、大きくむせ、咳き込む。

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