修行T
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場さんと同じように戦車の力に頼り過ぎています。その攻撃も至って直線的かつその拳もまだまだ未熟です。全身の力を満遍なく拳へと伝え切れていない証拠です。……それに小猫さん、貴方まだ隠している力がありますね?」
「……!?」
ウィスの確信を突いた一言に小猫は酷く狼狽した様子を見せる。
「仙術を遣うのに躊躇しているのでしたら後は黒歌に任せましょうか」
「何故、姉さんの名前を……!?」
ウィスは杖を軽く地面に打ち鳴らし、驚いている小猫を黒歌の下へと転移させる。
後は姉妹間で小猫が抱えている問題も解決されるだろう。
続けてウィスは意識を飛ばしているリアスと朱乃を叩き起こす。
「あれ、私……?」
「……此処は?」
リアスと朱乃は重たげに瞼を開け、辺りを見渡す。
「これで今日の私との組手は終了です。皆さん、最初と比べてだいぶ動きが良くなっていますが、まだまだですね。ほら、皆さんの服にサインまで書けちゃいましたよ?」
マジックペンを片手にウィスが笑いながらリアス達の胸元を指差す。
見ればリアス達の胸元には渦巻き模様の面妖なサインが描かれていた。
『……ッ!?』
皆一様に驚嘆を隠せない。
一体何時、どのタイミングでウィスはマジックペンを用いたのだろうか。
「皆さん、お疲れさまでした。本日の修行は此処までです」
その言葉を聞き、リアス達はその場に倒れ込む。
既にリアス達にウィスの言葉に反応する気力など存在しない。
力無く鉛の様に重い体を引きずり、大樹の中に存在する別荘へと戻っていくことしか出来ない。
その後のことを彼らは覚えていない。
夜食を食べ、露天風呂にて疲労を回復した後は瞬く間に眠りについた。
覗き癖がある一誠も余りの疲労感に邪推なことを考える余裕もなく、意識を夢の中へと旅立たせた。
そんな中、リアスは―
露天風呂にて英気を養っていた。
二度目の入浴となるが、人目を気にすることなく開放的な気分を味わうのも悪くない。
リアスの魅惑的な肢体が濡れ、湯気が立ち昇る。
気が抜けた吐息がリアスの口から漏れ、彼女は湯船にその魅力的な肢体を広げる。
蛇を模した彫像の口からは湯が流れ、湯船を満たしていく。
タイル造りの露天風呂とは言え、広さは申し分なく、清掃が隅々まで行き届いている。
露天風呂はウィスの別荘である大樹の頂上に位置し、惑星の景色を一望することが可能だ。
先程利用した露天風呂とは別の風呂であり、ウィス専用の露天風呂である。
勿論、ウィス本人から好きな時に入浴する許可を貰っている。
実家の風呂にも劣らない立派な造りだ。
心身共に限界にまで
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