暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第19話 秘密と決意と悪意と
[2/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
緒だなーとか、後は……プラントリナさんが異常にべったりだなー、とか?」
フローラの口から放たれたのは、かなり唐突な質問だった。だが少し間をおけば、付き合いが長い分思い当たるものは簡単に出てくる。エースはそれを答えとして並べていった。
しかし、エースのそのような認識とフローラがその言葉に込めていた意味には、若干の齟齬があったらしい。
「そうなんだけどそうじゃなくて……何かが似てる、とか、そっくり、とか、そういうのは?」
「うーん……好きなものや苦手なものが似てるなとか、髪色が同じだとか、癖が似てるとか思ったことはあるけど……それがどうかしたの?」
どうかしたの、とは言っているものの、エースはこの後フローラが何を伝えたいのかは、会話の流れで何となく分かっていた。それでもそう聞いたのは、それが間違いでないかどうかを答え合わせする意味合いが強い。
「あのね……いきなりこんなことを言われると面食らうかもしれないけど……私とセレシアは、あなたたちと同じ双子なの」
そしてその予測は、ほとんど外れていなかった。その言葉が世界に向けて発された時、エースには場が静まり返ったように感じられたが、それはほんの一瞬で、すぐに日常へと帰ってきていた。
「セレシアが今使っている姓は、お母さんのものなの。本名は、セレシア・スプリンコート。双子だからあくまでも形式上だけど、私のお姉ちゃん、ってことになる」
「なるほど」
フローラから明かされた事実を聞いたエースの口からは、半分意図せずして短くそうこぼれた。
エースには、彼女たちとのこれまでの4年と少しの付き合いの中で感じた何度かの既視感が、時々彼女たちを間違えていたということがあった。似ているな、と思うこともあった。
最近で言えば、フローラがフォンバレン家に来る理由となった2週間ほど前の襲撃。その後にエースが見た光景がまさにそれであった。不安がるフローラと抱きしめるセレシア、その姿が似ていると感じた。遡れば最初は一昨年の冬、寒いために髪を下ろしていたセレシアとフローラを見間違えたこともあった。
双子、ないしは同学年の兄弟姉妹であるかどうかを聞くことはご法度である。疑わしきには触れず、というのが暗黙の了解であり、エースとミストがセレシアとフローラに対して聞くこともなく、その逆もなかった。思っていても触れられなかったのがこの事実である。その事実を、今ようやく知り得た。
そして、この事実を知ることで、今までセレシアのフローラに対する感情がやや異常に見える理由も分かった。
それは、異常ではなく至極当然のことだったのだ。自分たちと同じように明るみに出れば迫害される可能性があるという事実。しかしながら、赤の他人として振る舞わなくてはなら
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ