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英雄伝説 閃の軌跡 王者の風
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「何をするつもりなのでしょう?」

「うむ、ワシの旅に同行させる。幸いリィンは八葉一刀流の初伝を修めておる。修行の一環として帝国の各地の他流派の道場を訪れても不思議ではあるまい。色々な出会いや経験を与えてやれば、少しは前向きになれるやもしれぬ。そこで友や好敵手が出来ればなお良い。競争相手が居ないというのもあまり良い環境とは言えぬからな」

「それはそうでしょうが」

「色々と心配なのも分かる。だが、このまま放っておくわけにも行かぬ。思い至っていないようだが、内なる獣から逃げるには死ぬのが一番手っ取り早い。それに気づかれる前にどうにかしておく必要がある。ユミルなら簡単であろう?」

装備もなしに少し山を登れば簡単に凍死できる。さらにそこそこ登ればアイゼンガルド連峰だ。そこにはかなり強力な魔獣がうようよしておる。

「ワシは一週間ほど逗留するつもりじゃ。それまでに答えを出して貰えるとありがたい。そして何より、一度リィンとゆっくりと話し合うべきだ。傍にいれば思いが伝わるなど笑止千万。伝える努力を怠った者の末路など分かりきったものよ。相手のためを思って、などと自分が傷つくことを恐れた結果の独り善がり。分かり合うなど出来はせぬ!!」










ワシの存在に気づかずに通り過ぎるリィンに声を掛ける。

「何処へ行こうとしておる」

振り向き驚きながらも手は腰の太刀に伸びておるのに感心する。

「殺気を抑えよ。魚が逃げてしまうわい」

「あなたは、一体何がしたいんですか」

「簡単な嘘の脅迫をしたことか?東方には百聞は一見に如かずという言葉がある。百を他人から聞くよりも自分で見た方が確実で分かりやすい。多少の殺気程度やお主自身を傷つけても鬼の力を引き出さんと思うたからな。結論から言ってやろう。外的要因さえなければお主の力が暴走することはない。一般人でも偶に居る、怒りで我を失い、常の力よりも力を引き出す者とさほど変わらん。力の引き出す量は一般のそれとは比べ物にならんがの。ワシの弟子もそうであったが、周りの力を借り、見事乗り越えた」

外部要因の怒りのスーパーモード、それがワシの見立てじゃ。明鏡止水の心を教え込むにしても、経験が足りなすぎる。テオ・シュヴァルツァーは旅の同行に前向きのようじゃが、果たしてリィンはどちらを選ぶ。

「テオ・シュヴァルツァーに話を聞いたであろうが、ワシと1年間旅に出るか?」

「それであなたに何の得があるというのですか?」

「ワシはのう、昔大きな過ちを犯そうとしておった。ワシはそれを正しいことだと思い込み、そのために全てを犠牲にしようとした。事実、友は犠牲になり、他にも多くの命を奪ってしもうた。そんなワシの行いを弟子は真っ向から否定し、間違いを正してみせた。ワ
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