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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
75話:訃報と朗報
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ポートをする事で利益を上げる事が存在意義だ。短期的に儲ければ良いわけでもないし、領主の皆さまとの信頼関係も必要だ。誰にとって残念なのかは分からないがルビンスキーに合う職場とは言えないだろう。

「となるとRC社の外で使うことになります。フェザーン自治領の不可侵性は既に失われた以上、彼も今の地位が安泰ではない事も認識しているはずです。何か褒美を用意しなければ、自分の実績を伯に認めさせるために強引な手段も取りかねませんが......」

「そうですね、適性と性格に合いそうな役割は一つ候補がありますが、そのためにはまず帝国内で門閥貴族を一掃とまではいかないまでも弱めなければいけません。民主制とやらに親しんだ方々が急に帝政に馴染める訳がありませんからね。統治の原則は、バラバラにして争わせることです。その旗振り役をとは思っています。出来もしないことをぶち上げる政治家や、実情も理解せずに威勢の良い方になびく民衆を憎しみ合わせる火種の番人といった所でしょうか?」

既に戦争後の事まで考えていたとはさすがだ。それにルビンスキーには確かに自分の策で右往左往する様子を眺めて自尊心を満たすようなところがある。適職ではあるだろうが......。

「肩書は何とでも出来ますが、政府内ではなく外局扱いで用意したいですね。あくまで影響力は限定的なものにする。配慮できるのはそこまでですが、彼は私にそこまで配慮させるだけの功績をあげてくれるでしょうか?」

「『信用』はともかく、仮に地球教の事がなくとも私の後任としてフェザーン自治領主になるはずだった男です。必死になれば多少の事は何とかすると存じますが......」

「分かりました。ひとつ彼に頼むことにする事にしましょう。私と親しくしてはやりにくい頼みごとになりますから、ワレンコフさんを通じてやり取りする事にします。さすがにボルテックさんを通しては、彼の自尊心を傷つけてしまうでしょうし」

伯がそれなりの役職を代償にする依頼で、しかも伯と親しいとやりにくい依頼か。そういえば、ルビンスキーにはガイエスブルク要塞の件で、そっちへの伝手があったな。私が人選を相談した時から、こんな事態を想定していたのだろうが?だとしたら主として心強い限りだ。私はしっかり『信用』して任せて頂いた役目を果たすだけだ。
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