第一章
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龍馬の言葉
坂本龍馬は死んで極楽に行った、そして極楽で共にいる武市半平太や岡田以蔵といった土佐藩以来の同志達に酒を飲みつつ大笑いして言った。
「まさかわしが極楽に行けるなんて思っていなかったぜよ」
「それを言うとわしもじゃ」
「わしは尚更だぞ」
武市と岡田はその龍馬にすぐに返した。
「わし等はお主より先にここに来たがな」
「色々やったからのう」
「暗殺だの何だのな」
「一体幾人切ったか」
「しかしこうしてだ、日本を変える力になり多くの者の命だけでなく日本を救った」
「だからというわ」
このことが功績として認められてというのだ。
「散々人を殺したのに極楽におる」
「そしておまんと共に飲んどるんじゃ」
「そうじゃのう、何でもわし等の行いが後世小説やら絵巻物やら動いて演じられるもんになってじゃ」
実は龍馬達は閻魔達十王から自分達の行動が後の世の子孫達に様々な創作、それこそ小説だけでなく漫画やアニメやゲームにまでなっていることを言われたがこの時はそこまではわからなかった。
「多くの人に飯を食わせるってことでじゃな」
「それでじゃ」
「わし等は極楽行きか」
「まあ新選組の連中も全員来てるが」
彼等勤皇派にとってみれば宿敵であった彼等も来ていた、しかも次から次に来てこの前土方歳三が来たのだ。
「わし等と同じ理由でのう」
「極楽に行くだの地獄に落ちるだのいうのはわからんのう」
武市は飲みつつ難しい顔になり述べた。
「あの吉良上野介もおるしのう」
「織田の右大臣様も平の太政大臣様ものう」
こうした面々も極楽に来ているのだ。
「まっことその辺りはわからんぜよ」
「人間の考えだとな」
「ほんまわからんぜよ」
武市と岡田もこう言った。
「わしは学問がないからのう」
「死んだし時間もあるから今からはじめたらどうじゃ」
武市は学問の話をした岡田に言った。
「そうしたらどうじゃ」
「書を読んでか」
「そうじゃ、どうじゃ」
「そうしてみるか、こっちは幾らでも寝られるし起きられるからな」
「おう、剣だけじゃなくてな」
岡田の得意なそれだけでなくというのだ。
「これからは書もじゃ」
「読んでか」
「学問を備えるんじゃ」
「ははは、以蔵が学問も備えたら無敵ぜよ」
龍馬は二人のやり取りを聞いて笑って言った。
「極楽に来たし飲んだり素振りする以外にそっちもするか」
「何か思わぬことになってきたのう」
「ははは、それも世の中ぜよ」
極楽でもそれは変わらないというのだ、龍馬は飲みつつ豪快に笑って言った。だがそうして楽しい時を生前も親しかった面子と過ごしている中でだ。
ふとだ、彼は周りにこんなことを言った時があった。
「ちょっと人界に用事が出来
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