第三章
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「なるならね」
「キングでなのね」
「スペードになりたいね」
「やれやれね、何か本当にトランプ好きね」
またこのことを認識した。
「貴方は」
「やっぱりね」
「やれやれよ、そんなこと言ったら」
「トランプの兵隊になるっていうんだね」
「実際にね」
また彼に言った。
「そうなるかもよ」
「だからそうなるんだったらね」
「スペードのキングになのね」
「なりたいね」
「本当に。皮肉で言ったのに」
もっと言えば半分冗談半分本気でだ。
「それでもそう言うなんてね」
「駄目かな」
「駄目っていうか何処までトランプ好きなのよ」
「やっぱり僕の生きがいというかね」
「離れられないものよね」
「どうもね、子供の頃から遊んでるだけで」
そのトランプでというのだ。
「落ち着くし楽しいしね」
「離れられないのね」
「僕にとってはね、何時までもね」
「やれやれね、じゃあ死ぬまで」
「やっていくよ、終わることはね」
それこそというのだ。
「それまではないわね」
「終わらないのね、貴方のトランプ好きは」
「そうだろうね」
遂に彼はこう言った、そして二人で別の場所に行ってそこではトランプから離れられた。けれど別の時にだ。
彼はまたトランプを出した、とにかくトランプばかりしていてだった。私はその彼をやれやれと思って見ていた、そのうえで。
私はまただ、彼に言った。
「またトランプね」
「他にすることあるかな」
「今はないわ」
「じゃあやろうか」
「仕方ないわね」
今は付き合うことにした、それでこう返した。
「それじゃあ何をしようかしら」
「そうだね、ポーカーはどうかな」
「ポーカーね、今日は」
「それをしようか」
「わかったわ」
私も頷いてだ、そうしてだった。
今日は彼と一緒に遊んだ、彼との終わらない日常の一幕だった。トランプに親しんでいる彼とのそれは。
ENDLESS 完
2018・3・20
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