暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
十七 サソリVS三代目風影
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
レクションである三代目風影の傀儡を巻物に戻さねばならなくなった元凶を、激しく睨む。






三代目風影の術は敵に回ると相当厄介だ。その上、傀儡化している我が身なら猶更。
このままだと、砂鉄で身体の自由が完全に封じられるが可能性もある。現に、円柱が墜落してくる際、上手く動かせなくなっていたのだ。


だからこそ、これ以上不利になる前に巻物に戻した方が得策だとサソリは考えた。更に、他の傀儡を口寄せしたところで、またいのに乗っ取られるのは眼に見えている。

ならば、方法はひとつ。
サソリ自身が自ら闘うしかない。





いのは既にサソリの毒にやられている。チヨも今し方、ワイヤーの毒を突き刺した。片腕は未だ使えるようだが、片腕に結んだチャクラ糸だけで【父】【母】、そしていのを同時に操るのは難しいだろう。


チヨがチャクラ糸をつけた手を振るう。同時に、いのの身体が地を蹴った。
【父】と【母】の傀儡人形も、武器片手に、サソリへ迫り来る。

ガクン、といのの頭が項垂れた。三代目風影が乗っ取られた時と同じ光景を前に、サソリは視線を周囲に奔らせる。


(小娘…今度はどいつに入った…?)





左から迫る【父】か。右から迫る【母】か。

毒に侵されている身、いのの身体は痺れて動けない。ならば、どちらかの傀儡人形を乗っ取っている可能性が高い。


【父】と【母】も三代目風影の砂鉄で動きが鈍いが、それはサソリにも言える事だ。
いのが乗っ取った三代目風影の砂鉄により動きを封じられ、軋む我が身に、サソリは眉を顰める。

やはり三代目風影を巻き物に戻したのは正解だった、と周囲を警戒しながら「悩むまでもないか…」とサソリは苦笑した。


腹部のワイヤーを伸ばす。勢いよく飛来したワイヤーの切っ先はチヨの傍の岩に突き刺さった。そのワイヤーの切っ先に引っ張られたサソリは、空中で背中に仕込んだ刃物を出現させる。
まるで翼のように広がった鋭い刃物。それに回転を加えて更に殺傷力を増しながら、サソリはチヨに襲い掛かる。


「チヨ婆…!お前さえ消えれば…!」




傀儡人形の【父】【母】と、毒で動けぬいのの身体をチャクラ糸で操るチヨが倒れれば、あとは小娘一人だけ。
先にチヨを倒すのが先決だと考えたサソリの攻撃が、チヨへと届く寸前──。






ぐっと身体が斜めに傾く。何かがサソリのワイヤーを手繰り寄せている。

かと思えば、左右から【父】【母】がサソリに向かって武器を振り下ろす。
それを避け、見下ろしたサソリは、目の前の光景が信じられなくて、眼を見張った。


同時に、凄まじい怪力でワイヤーもろとも、己の身体が引っ張られる。
遠心力で思いっきり振
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ