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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第14話
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ではなく、クイックブーストの爆風で吹き飛んだからだ。

「KOJIMA粒子……?」

 死んだ技術者が身体を張って生み出している前衛芸術よりも、マ・クベは言葉そのものに食い付いた。聞き覚えがない粒子である。

「野良犬、KOJIMA粒子とはなんだ?」
「そっち側にはない物質……かな。生身で浴びれば良くてアレ。完全遮断は難しいから、こっちに来る奴には健康被害があるかもしれないってのは覚悟しといた方が良いな」

 放射線のようなものだろうか? マ・クベは頭の中のメモ帳にKOJIMA粒子を追記した。

「だが、お前達は大丈夫なのだろう?」

 KOJIMA粒子とやらが危険だとしても、スモウレスラーはそのKOJIMA粒子を扱う機体なのだ。ジオン公国のモビルスーツとて反応炉で稼働するが、発生する放射線はミノフスキー粒子によって造られるIフィールドで完全に封じ込められている。宇宙空間を飛び交う放射線はいかんともしがたいが、機体由来の被曝はあり得ない。宇宙世紀に生きるマ・クベの感覚でいうなら、普通に考えてスモウレスラーもKOJIMA粒子に対する安全性は担保されているはずである。安全が担保されない機体に乗るなど気が狂っているとしか言いようがない。が、相手は野良犬である。

「大丈夫なもんか。私達は短命だと聞いた」

 狂っていた。
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