第三章
[8]前話
「人間なのかも知れないわね」
「どういうことなのです?」
「人間は色々な面がある」
ここでこう言うのだった。
「そういうことね」
「よく言われる言葉ですね」
「そうね、そしてね」
そのことはというのだ。
「貴女もね」
「僕もですね」
「誰だってそうということね」
ここでだ、客も内心でようやくだった。
自分でこのことを受け入れることが出来た、それで言うのだった。
「わかったわ」
「わかったのです?」
「ええ、よくね」
こう言うのだった。
「私も」
「そうなのです」
「ええ、ではね」
それならと言ってだ、客も。
ステーキを食べてワインを飲んで言った。
「確かに美味しいしね」
「いいステーキハウスなのです」
「元気が出そうね」
「はい、食べものの中でもなのです」
まさにと言う茜だった。
「ステーキは最高になのです」
「元気が出るものね」
「赤いものは情熱なのです」
「血の滴るステーキは」
「そうなのです、そしてお酒ではなのです」
「ワインね」
「それも赤なのです」
このワインだというのだ。
「それが一番なのです」
「一番元気が出るから」
「だからなのです」
それ故にというのだ。
「元気に食べてなのです」
「そうしてっていうのね」
「お仕事も頑張れるのです」
「そうよね、じゃあ私も食べて」
そして飲んでというのだ。
「そのうえでね」
「お仕事頑張るのですね」
「私のお仕事をね」
「では」
「ええ、今日は最後まで食べましょう」
楽しんでとだ、こう言ってだった。
客は茜が気持ちよくステーキを食べてワインを飲むのを見守った、デザートは赤い苺やすぐりを使ったケーキだったが茜はそのケーキも楽しんで食べた。そうして次の日も頑張って働くのであった。客はそんな彼女を見てついつい笑顔になった。
赤ワインとレアステーキ 完
2018・10・24
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