暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 10
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トリッテ。中央教会には居ない筈の人外を含む者達が、その他大勢と一緒の調理場や、常時報告書が飛び交う次期大司教の執務室で、堂々と百合根の下拵えなんかしてると思う?」
 「思わんな」
 「思いませんね」
 「思わぬな」
 「……ですよね。だからこそ、皆さん揃って此処で作業をしていらっしゃるんですものね」
 「うふふ。納得してもらえたかしら? フィレスさんが仰る通り、ロザリア様はこの状況をご存知でありながら、あのように心の内をお認めくださっていたのよ! 決して、私が言わせた訳ではなく、ね!」
 ええ、そうですね。
 多少暴論の気を感じないでもないですが、事前にロザリアと状況を確認し合っていたのなら、プリシラの行いに礼節違反や過失は何一つありません。
 恐らく、ロザリアがうっかりしていた。
 ただ、それだけの話。
 それだけの話……なの、です、が。
 (扉を開くまでどんな話をしていたのかは知りませんが、ちょっとだけ貴女を恨めしく思っても良いでしょうか、ロザリア)

 室内を染める柔らかすぎる雰囲気。
 私に集中する生温い視線。
 

 さすがにこれは……居た堪れない……。



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