暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 10
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りませんの。組織ゆえの悩みどころですわ」
「しつこい勧誘くらいなら、即刻やめさせられると思うんだけど??」
「ええ。その一点に関しましては、私も完全に同意見ですわ。主神アリアを口実にして嫌がる少女を追いかけ回した挙げ句、無理矢理教会へ押し込めて無体を働く品性下劣な変態粘着質男など、私も心底気持ち悪いと言わざるを得ません。生理的に無理というものを実感いたしました。職権濫用(おイタ)が過ぎた愚か者には、元上司の立場からも相応の厳しい罰を与えねばなりませんね。どのように『(さば)』いてみせましょうか? 腕が鳴りますわね。うふふふふ」

 あ。
 なんか、すごくヤバイのを踏み抜いた気がする。

「い、いや、えと。教会に居付いたのは一応、私の意思だからな? そこは責めなくて良いからな? そんな、標的を狙い定めた空腹の肉食獣みたいな鋭い目は、あんたの場合いろんな意味で怖すぎるから、やめとけ? な?」
「変態病の罹患(りかん)者とは、症状が重ければ重いほど、なにかに付け己の言動を正当化したがるもの。少しでも甘い態度を見せようものなら、見せた分だけ殊更病状を悪化させることでしょう。被害者(あなた)がお庇いになられる必要など、小匙一杯分もございませんわ、ロザリア様。周囲への思わぬ感染拡大を防ぐ意味も込めて、いっそ今のうちに、ひと思いにこう、キュッ……と」
「せんで良い! 元仲間の話でうっすら笑いながら首を絞める動作すんなよ物騒な! あんた、本当にどうして聖職者になれたんだ??」
「愛はすべてを救うと、心から信じておりますゆえ」
「びっくりするほど説得力がねぇ!」
「純然たる事実ですわ」

 さすが、クロスツェルの元上司。
 『にっこり』って文字を貼り付けた華々しい笑顔がアイツとそっくりで、実に胡散臭い。

「えー、と、とにかく! あんにゃろうは人の話を聴かないし、思い込みが激しい上に強引だし、愛してるとか何とか言っといて私の気持ちはいっつも二の次だし、心配ばっかりさせやがるしっ」
「やはり、キュッと」
「しないし、させねえよ?? 良いから、その凶器()を下ろして最後まで黙って聴いててください、お願いします??」
「御心のままに、我が主神(めがみ)

 一礼して半歩下がった後、真面目な顔でひざまずくプリシラ。

 ……こいつ、私をおちょくって遊んでんじゃないのか?
 大人しくしてくれるのはありがたいけど、なんか釈然としねぇ。

「はあぁー……つまり何を言いたいかって、私はクロスツェルとベゼドラが大っ嫌いだ、ってコトだ。ベゼドラに取り憑かれたアイツの言動、私にしたすべては、こっから先どう言い繕われても、どんな風に償われたとしても、一生赦したりしない。これはもうどうしたって揺るがない、大前提だ」

 無言で
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