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逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 10
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 ………………やっぱり、か。

 状況的に考えて、もしかしたらとは思ったんだ。
 そりゃあ、夜まで待ってたら手が空いたアイツらに気取られちまうかも知れねぇもんな。こいつにとっちゃ「個人的な話ができる」好機は今しか無いワケだ。
 何処までも面倒だなぁ。弱味を見せられない立場とか地位ってヤツは。

 「なぁ、プリシラ」
 「はい」

 「私は、アイツが大っ嫌いだ!」

 「……はい?」
 「アイツはなぁ! 嘘吐きだし、自分勝手だし、妄想で暴走した挙句他人に責め苦を押し付けてトンズラこいたまま死にかける変態だし、私には命や体を大切にしろって言いながら、自分自身は自傷も自殺も(いと)わない、青天井で底無し沼な大莫迦野郎なんだぞ!? あの偽善者っぷりは、遠くから見てるだけでもマジで心の底から腹が立つ!!」
 意味が解らない様子のプリシラは無視。
 変態キング神父だった頃の寝坊助無職大王にされたあれやこれやを思い返しながら、苛立ち任せに右手でベッドをバシバシ叩く。
 凄ぇ。結界内で使ってる私の布団と比べて、舞い上がる埃の量が極端に少ない……って、それはどうでもいい!
 「そもそもだ! 毎度毎回、鬱陶しい! こっち来んな! っつってんのに、初見たまたま一瞬顔を合わせただけの相手を見付ける度に何処までもしつこく追い掛け回して「要約:御飯をあげるよー、悪いようにはしないから此方へおいでー」とか、一般民でも怖いと思うだろフツー!? 更に、それをニヤニヤした顔付きでやられた日には、薄気味悪くて寒気が止まらねぇっての! どんだけ言葉で良い印象を与えようとしたって、やってる事が狂気染みてんだよ! 最初っから!! あんた、そういうのに遭遇したとして「わーい、三食昼寝付き時々メンドクサイけど屋根の下確保だー」って、喜んで付いて行けるか!?」
 「迷える者に手を差し伸べる事が本分である聖職者としては、なんともお答えし(にく)い局面ですが……私個人の意見と致しましては、「おとといきやがれ。」ですわね」
 「だったら勧誘方法を根本から見直せ責任者(アホ)ぉーッ!」
 「勧誘される側の受け止め方次第でもございますし、迂闊な思考誘導を仕掛けては信徒達の思想に更なる分裂を招きかねませんから、一を全と見做してその都度改革意識を持たせる訳にも参りませんの。団体故の悩みどころですわ。しかしながら……嫌がる少女を追い掛け回した挙げ句に無理矢理教会へ押し込めて無体を働く品性下劣な超ド級の変態粘着質男など、私も心底気持ち悪いと言わざるを得ません。生理的に無理、というものを実感致しましたわ。職権濫用(おイタ)が過ぎた愚か者には、元上司の立場からそれ相応の罰を与えねばなりませんね。うふふふふふふふ…………。」
 あ。なんかヤバイの踏み抜いた感。
 「い、いや……えと、教
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