空白の一昨晩
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<レーベ>
アルル達は宿屋へ戻り作戦会議を行っている。
「さて、何とか魔法の玉の所在を掴んだけど…今度はバコタね!」
アルルが切り出す。
「バコタって言えば、アリアハンで名を轟かす盗賊だろ…捕まえるのは難しくないか?何処にいるのかも分からないし…」
ウルフが溜息混じりで意見を言う。
「バコタならアリアハン城の牢屋に居るよ」
リュカが状況打開の一言を発する。
「「「な、何でそれを知ってるの!?」」」
驚き詰め寄る3人…
「まぁまぁ…さっさとアリアハンへ行こうよ!ほら、『キメラの翼』も用意しておいたから」
アルル達は納得しきれないまま、リュカに促されアリアハンへと舞い戻る。
<アリアハン>
一行はアリアハン城下を城に向かい歩いて行く。
すると前方からうら若いシスターが一人駆け足で近付いてくる…胸を盛大に揺らしながら…
「あ!シスター・ミカエル!!」
嬉しそうに声を上げるのはウルフ。
しかしシスターはリュカに抱き付き話し出す。
「リュカさん!昨晩はありがとうございます。それと…楽しかったです…」
シスターは頬を赤らめ語り出す。
不満顔のウルフ。
シスターからは、今朝リュカから漂ってきたのと同じ香水の香りが…
《まさか…わざわざキメラの翼を使ってアリアハンへ戻ってたの?キメラの翼だって、ただじゃないのよ!………でもおかげでバコタの情報が手に入ったし……でも……》
やはり納得のいかない3人を伴い、シスターと別れ城の地下牢へと向かうリュカ。
「あ!!テメーは昨日の晩の!!テメーのせいで掴まっちまったじゃねぇーか!」
リュカは鉄格子越しにバコタと対面する。
「何言ってんだよ!ミカエルさんの財布をスったのが悪いんだろ!」
どうやらリュカは、昨晩シスター・ミカエルとデート中にバコタと遭遇し、財布を盗む現場を押さえた様である。
「まぁいい…そんな事より、盗賊の鍵を返してよ。本来の持ち主から依頼を受けたんだ!」
「あ゛?盗賊の鍵?………あぁ!アレなら『ナジミの塔』の爺に騙し取られたよ!」
「ナジミの塔?なんだそれは?馴染みの店みたいなもんか?行きつけか?…じゃぁ、その店の場所を教えろよ!」
「店の名前じゃねぇーよ馬鹿!そう言う名前の塔があるんだよ!」
「変な名前!バコタの次くらいに変な名前!!」
「うるせーよ!サッサと行けよ!そして死ね!」
バコタの暴言は止まらない。
「なんだ?悪い事して掴まったクセに、反省の色が見えないぞ!お仕置きしちゃる!」
そう言うとリュカは鉄格子の隙間から左手を入れバコタに向かって魔法を唱える。
「バギ」
(ヒュウ、ドゴ!!)
「うごっ………!」
リュカから発せられたバギには殺傷能力は無い、強力な風の固まりがバコタにぶち当たった
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