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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十六話 いつか貴女も
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く必要はない……いや、心当たりがあるからこそ、より気になっているのだけれども。

「わかった、そっちはこれ以上は聞かないわ……それで、えっと何だっけ……」
「アスナとキリトさんの話!」
「あ、そうだった、えっと……」
さて、どう説明した物か……アスナとキリトの関係は、言葉にすると少しだけ複雑だ。ただ、あえて告白したのがどちらかと言われると……

「告白したのは、キリト君かな」
うん、少なくともそう言って良い筈だ。こと告白と言う事に限って言えば、間違いなく言葉にしてくれたのは彼なのだから、その表現は適切なはずである。ただし、そこに至るまでに、実に半年以上のアスナによる明確には言葉にしないアプローチとアピールが重なってようやくだったので、厳密には先に好きになったのはアスナで、告白してもらえるように必死に努力した、と言うのが正解なのだけど、「告白するように誘導した」ように言うと、まるでアスナが悪女のようなので、余りそう言う表現は使いたくない……

「なんて言われたの?」
「えっ!?え、えぇっとその……」
羞恥で顔があっという間に朱くなっていくのが自分でも分かった。答えに詰まりながら必死に頭を回転させる、素直に言うべきかそれともはぐらかしてみるべきか……いや、しかしユウキを前にしてあまりごまかすような真似をするのは……

「お、俺の命は、君の、物だって……だから、最後の瞬間まで、一緒に……って……」
「………………わぁ」
自分もユウキも、顔が真っ赤になるのが分かった。まさかこんな所で、想い人からの告白の言葉を復唱させられるとは思っていなかったし、ユウキにしても、まるで物語の一シーンから抜き出したような言葉が出てくるとは思っていなかったのだろう。なまじ状況が状況だったとはいえ、今にして思うと、とんでもなく恥ずかしい事を言われている気がする。ちなみに、続いてアスナも返しの告白をしたのだが、流石にそれを口にする気力はもう全く残っていなかったので端折る。

「そ、そのあと、色々あって、直ぐ結婚して……」
「ぅえ!!?結婚って、おつきあいしてからじゃないの!?」
「そ、それはね!?人に寄るっていうか、私達の場合その前から色々あってお互いにある程度知ってたっていうか……そ、それに今付きあってるみたいなもので」
「結婚して、その後付きあった?」
「え、えぇっと……」
いやまて、一度結婚してそれから恋人に戻ったというとまるで関係が後退しているように聞こえるのだが、勿論そんなことは無い、むしろ前進しているとアスナは確信している。じゃあ何故付きあっているのかと言えばそれはつまり現実だからで……

「(ってなんで今更そんな事確認してるの!?)」
どうやら自分でも相当混乱しているらしい。片頭痛でも起こしたように頭を抱えて唸ったアスナに、少
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