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私自身が藍染惣右介になることだ
これが君の視ている世界だよ
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「断ると言ったんだ、糞野郎……!」

「そうか……」

 どうやら聞き間違いではなかったようだ。
 凝り固まったプライドと歪んだ差別思考が冷静な判断力を鈍らせているらしい。
 こうなっては仕方がない。

「……どうやら君は強情のようだからね。固有霊装(デバイス)を手放すのが嫌ならば仕方ない。此方も君の気持ちを組もう。固有霊装(デバイス)を抱えたままで良い……










固有霊装(デバイス)ごと腕を置いて、降伏したまえ」

 一閃
 ビショウは咄嗟になけなしの最後の力を振り絞り、後方に回避した。

 血しぶき飛び散り、肉が裂ける音が鳴り響く。
 固有霊装(デバイス)ごと両断された両腕が血だまりに沈み、地面に無残に落ちる。

「随分上手く躱すじゃないか、その身体で……」

「だけど、できれば余り粘って欲しくはないかな。










潰さないように蟻を踏むのは、力の加減が難しいんだ」

 砂利と戯れる大人などいない。
 藍染にとってビショウ達は取るに足りない存在に過ぎない。

「う、動くな……!」

 突如、酷く狼狽した様子で一人の女性が人質の眉間に銃を向けていた。
 ビショウは奥の手が功を奏したことに余裕を取り戻し、小物感を全開にする。

 幾ら超越とした力を有していようと抜刀者は人質の前では無力に等しい。
 ビショウは得意げに指示を出し、その銃口を藍染へと向けさせる。
 
 藍染は抵抗することなく銃弾で射抜かれ、倒れ伏す。
 珠雫も同様だ。
 ビショウは藍染の死に現実味は無くとも、自身の勝利に酔いしれる。

 高笑いを浮かべ、企ての成功の喜びを?み締めようと天を仰いだ瞬間、その身に激痛が走った。
 肘から肩が宙を舞い、余りの痛みに声にならない絶叫を上げる。
 見れば一般人に紛れ込んでいた同朋が背中を大きく斬られ、崩れ落ちていた。


一体何が……ッ!?


 肩から腕と完全にお別れしたビショウはその相貌を歪ませ、前方を憎々し気に睨み付ける。


何故、生きている……ッ!?


 藍染は刀身を地面に向け、己の固有霊装を掲げる。
 
 そして唱える。
 彼の最強にして最凶である固有霊装の解号を―







「砕けろ『鏡花水月』」







「何だ、これは……」
 
 途端、周囲の光景が砕け散る。

 人質の姿は何処に消え、この場には藍染を含めたテロリストしか存在しない。
 辺りを血だまりが支配し、残るは自分一人

「これが君が視ている世界だよ」

 ちっぽけな野心を抱えたビショウの野望が水泡の泡の様に消える。
 ビショウには眼前の
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