第二章
[8]前話
「花渚さん本当にね」
「これでいいのですか」
「部で一番上手よ」
そこまでだというのだ。
「もう商品になれるわ」
「そこまでとは」
流石にだ、そこまで言われるとだった。
ロボも驚いた、そして嬉しくてだ。
その顔をついつい赤くさせた、それで少女に言った。
「あの、そう言われますと」
「どうしたの?」
「恥ずかしいです」
「いや、本当にね」
少女はそのロボに当然という顔で述べた。
「上手だから」
「そう言われたのですか」
「そうよ」
その通りという返事だった。
「だからこれからもね」
「作っていっていいですか」
「どんどん作っていって、刺繍も他のこともいけてるし」
部の他の活動もというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「これからもね」
「この部で活動していいですか」
「むしろどんどんいいの作ってね」
こうロボに言うのだった。
「そうしてね」
「そう言って頂けるなら」
顔を赤くさせたままでだ、ロボは少女に応えた。
「宜しくお願いします」
「それじゃあね」
少女はロボに笑顔で応えた、ロボはその少女と部活を通じて仲良くなっていき他の部員達とも親睦を深めていき。
自分がロボットであることも知られたが。
「何もなかったか」
「はい」
家で博士にこのことを話した。
「見ればわかるとです」
「それで終わったんだな」
「そうでした」
「そうだな、御前がロボットであることなんてな」
「些細なことですか」
「人間でも屑はいるんだ」
つまり性格の腐った輩がいるというのだ。
「そんな奴と比べたらな」
「私はですか」
「ずっといいからな、だからな」
「いつもですね」
「言ってるんだ、ロボットであることを隠すな」
その必要はないというのだ。
「そしてその御前を受け入れてくれている人達はな」
「友達ですね」
「御前はいい友達を持ったな」
博士はロボに笑顔でこうも言った。
「よかったな」
「そうですね、明日もです」
ロボは博士の言葉を受けて微笑んで述べた。
「あの娘と。そして皆と」
「一緒にいたいか」
「是非」
顔を少し赤くさせて微笑んでの言葉だ。
「そうしたいと考えています」
「そうか、ならな」
「明日もですね」
「楽しんでこい、いいな」
「そうさせてもらいます」
やはり笑顔で言うロボだった、その顔には澄んだ微笑みがあった。そうして次の日も部活を楽しむのだった。友人達と共に。
純情ロボットガール 完
2018・10・18
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