暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
ボス戦終結
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がない。決意の灯った視線でボスへと意識を全て集中させている。
女の子であるキリトにこんな危険な作業を担当させていることにアスカは多少罪悪感に似たものを覚えるが、代わってやることはできない。
片手剣プレイヤーとして重い剣を使い、先読みしているキリトがようやく均衡を保てているのだ。軽い細剣を使い、情報がないアスカには不可能な所行だ、と割り切ってアスカはキリトに任せる。
だから,アスカも自分の役割,ボスへの攻撃に専念する。
クリティカルポイントに突き込むことだけに全神経を集中させる。

こんな緊迫した状況でもアスカの頭は冷静に思考を行っており、判断も速い。
恐怖で体が竦むこともなく、凶悪なボスへと全力で攻撃ができている。

2人の神懸かった連携が10回以上続いて、ボスのHPバーも3割近く減っている。


だが、そこでついに連携が途切れる。
ボスの斜め上から振り下ろされる刀に振り上げるように剣を振るって迎撃しようとするキリト。
しかし――
ブン!という音と共にボスの刀の軌道が大きく変化し、斜め下からの切り上げがキリトへと迫る。
キリトは急な攻撃軌道の変化に付いていけない。

「やばっ・・・・!」

慌てて剣を体の前に待ってこようとはするが、ソードスキルがキャンセルされてしまい、動けない。
無防備なキリトの体をボスの刀が後ろに吹き飛ばす。
チラッと右上に表示されているキリトのHPバーを確認すると、3割近く減っている。


アスカはどう動くべきか、迷ってしまった。

キリトを助けに行くべきか、技後硬直で動けないボスへと攻撃するか。
以前のアスカなら迷わずにボスへと攻撃していただろう。だが、今のアスカは躊躇ってしまった。
たった1日行動を共にしただけの少女であるはずのキリトの安否の確認に行こうとしてしまった。
それは,ほんの数秒の逡巡。

その隙を見逃してくれるほど、ボスは甘くはない。

一瞬の躊躇いの後、ボスへと向かっていくアスカに対して技後硬直の短いソードスキルを発動していたようで、すぐに動き出したボスが再度ソードスキルを発動する。
あの構えはディアベルを殺した三連攻撃―――!!
アスカが理解したときには避ける暇すら与えずに、視認が難しいほどの速度で刀が体へと迫っていた。
金属装備をかなり付けていたディアベルのHPバーを半減させた技だ。アスカなら半分では済まない。下手したら一撃でレッドゾーンに入ってもおかしくない。
剣で防ごうとするが、〈リニアー〉を使うために体の正中線に構えていた剣では斜めから迫ってくる刃は防げない。
迫り来るであろう衝撃に身を固くするアスカ。
その後ろから、

「・・・・・うおらぁっ!!」

野太い雄叫びと共にボスの刀目掛けて斧が振り上げられるのが視界に入る。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ