アインクラッド編
ボス戦終結
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何かを口にしようとする。
何となくアスカにはキリトの言いたいことが分かってしまう。その表情にはアスカへの思いやりが含まれているように感じたから。
だから、その前に、
「行くぞ」
とアスカが促す。キリトの目を真っ直ぐ見つめ返す。アスカの目を見て覚悟が伝わったのだろう。
「・・・・分かった」
と、キリトが答えてくれる。
2人はアイコンタクトのみで走り出す。
50メートル近く離れたところで暴れているボス目掛けて駆け抜けていく。
敏捷値の高い2人は5秒と少しでボスへとたどり着く。
ひどい有様だ。
場の統率は取れておらず、多くの者が何をするべきか分かっておらず混乱している状況。
全てのプレイヤーが少なからずダメージを負っているが、特に最初に範囲攻撃をくらったアタッカー隊の損害が厳しい。ディフェンダー隊がフォローに回っているが、未知のスキル相手なので長くは持ちそうにない。長物隊も近接戦闘が行えないので,相手をするには分が悪すぎる。
このままでは次の死者がいつ出てもおかしくない。
キリトが口を開こうとして、つぐむ。
こちらから指示を飛ばそうとしたらしいが、秩序が乱れて喧噪に包まれている今の状況では、たいした効果が期待できない。
「取り敢えず、一度、ボスへと攻撃してタゲを取る。手順はセンチネルと一緒!」
「分かった」
キリトの指示に短く答えながら、後ろに控えているプレイヤーたちを追い抜きボスへと迫る。何人かから制止の声がかけられるが、無視して進む。
あと10メートル、というところでボスがアスカとキリトに気づき、ぎらりと光る赤い目で2人の姿を捉える。
ボスが刀を後ろに引き、居合いのような構えを取る。刀には水色のライトエフェクト。
刀を振る前に、キリトが剣を肩に担ぎ、体を地面すれすれまで前に傾ける。ボスの刀と同様に薄緑色のライトエフェクト。
突進系のソードスキルが発動し、キリトの体が凄まじい速さで10メートルの距離を一瞬で詰める。
「せああっ!」
「ぐるああっっ!」
キリトが叫び、ボスが咆えた。
キリトの剣とボスの刀が恐ろしい速度でぶつかる。ガキン!と甲高い衝撃音がアスカの体を叩く。
取り巻きのセンチネルの攻撃を余裕で弾き返していたキリトが後ろへと大きく弾かれる。しかし、それはボスも同様。刀を上に弾かれて体制を大きく崩している。
その隙を見逃すアスカではない。
さきほどのキリトの突進もかくやというスピードでボスとの間合いを詰める。がら空きの土手っ腹に全力の〈リニアー〉を叩き込む。
「・・・・うおおぉっ!」
かつてない重い手応えが伝わってくるが無視して、無理矢理剣を振り切る。
ボスが後方に吹き飛ぶ。微量ながら確実に減っているHP。
場が静寂に包まれ、完璧な連携でボ
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