第3話 ヴァンフリート星域会戦
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トは苛立っていることだろう。
「全体の8割が遊兵と化しています。このままでよろしいのでしょうか?」
「……ミュラー中佐、君ならどうする?」
「はっ、小官であれば艦隊を6光秒前進させ、2時方向に繞回しつつ砲火を集中させれば敵右翼に打撃を与えうるかと愚考いたします」
おお〜、キルヒアイスと同じこと答えてるよ。
さすがミュラーくんだ。
「うん、その意見は正しい。だが、グリンメルスハウゼン艦隊の中身を考えてみろ」
この艦隊は普通の艦隊とは違う。
「中身……でありますか?」
「そうだ、この艦隊は練度が低い。マシなのは俺とミューゼル准将のところだけだろうな。下手に攻撃を仕掛けても逆撃をくらうのがオチさ」
安全運転が一番ってね。
・・・・・
05時30分。
ようやくグリンメルスハウゼン艦隊が動き出した。
しかし、艦隊全体の行動速度がバラバラで指揮と運用に混乱が生じており、とてもじゃないが戦闘なんてできる状態じゃない。
ほら、ミュラー君も茫然としてるじゃないか。
「これは……艦隊行動に統一性を欠いている。これでは戦いなど………」
「言った通りだろ、この艦隊は戦えないと」
「閣下の慧眼、恐れ入りました」
まあ、原作知識があるからこそなんだけどね。
「ま、こんな状態じゃ出来ることは長距離から撃ってることぐらいさ。武勲を立てられないで残念だとは思うが……」
長距離砲戦だと危険少なくていいよね。
俺は死んで二階級特進なんて絶対に嫌だからな、死亡フラグは何としても回避せねば!
* * *
戦いは3日目に入った(=3月24日)。
帝国軍と反乱軍の各部隊がそれぞれに分断し合って、訳の分からん混戦状態になっている。
100歩譲って接近戦はいいとしても、混戦だけはご免だわ。
アニメや小説で『混戦ダメ、絶対』って言ってたのが身に染みて理解できたよ。
敵だけじゃなく、味方にも気をつけないといけないんだぜ。
やってられっか! ……ってわけですよ。
帝国軍も同盟軍も繞回進撃を試みているが………無理だろうな。
そして、やはりというべきかグリンメルスハウゼン艦隊の動きは遅い。
<ラインハルト>
「友軍は何をしておるか! 我が部隊の動きに付いてこれないのか? あの無能共め……いや、一部隊だけ付いてきているな。キルヒアイス、あれは?」
「あれは……アドルフ・フォン・ハプスブルク少将の部隊ですラインハルト様」
「ハプスブルクだと!?」
ハプスブルクというと、あの門閥貴族の筆頭格のハプスブルク公爵家か。
確か当代のアドルフは俺より1年上だったはず。
ただの貴族のボンクラではないということか?
もしくは優秀な参謀で
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