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ハヤシライスよ永遠に
第三章

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「けれど美味しいですから」
「そういえはハヤシライスも美味いな」
「そうよね」
「こっちはこっちで」
「悪くないわね」
「美味しいですよ」
 真剣な顔でだ、来子は彼等に答えた。
「特に私が作ったものは」
「そうか、じゃあな」
「ものは試しだ、食べてみるか」
「まずは食べてからだし」
「実際ハヤシライスも美味しいし」
 皆来子の言葉に頷いてそうしてだった。
 それぞれお金を払って彼女が煎れたプラスチックの皿の上のハヤシライス白い御飯の上に多くの牛肉とマッシュルーム、玉葱が入っていてトマトもよく効いていてグリーンピースも添えられたそれを食べた。そして誰もがこう言った。
「美味いな」
「そうよね」
「やっぱりハヤシライスもいいな」
「悪くないわ」
「そうです、ハヤシライスは美味しいんです」
 また言う来子だった。
「ですからどんどん食べて下さい」
「そうだな、じゃあな」
「これからも食べていきましょう」
「ハヤシライスもね」
「そうしていきましょう」
 客達も答えてだ、そしてだった。
 ハヤシライスはこの時だけでなくそれからも売れた、来子は普通の人間が充分に生計を立てられる位にハヤシライスを売ることが出来た、それでだった。
 洋食屋で親父にこの日もハヤシライスを食べつつ言った。
「やっぱりハヤシライスは美味しいです」
「大阪城の方で人気らしいな」
「はい、出店を出してますが」
「いいことだな、やっぱりな」
「ハヤシライスはですね」
「人気あるよ、だからな」
 それ故にとだ、親父は来子にこう言った。
「ハヤシライスはハヤシライス」
「そう考えてですね」
「やっていくといいさ、あんたはあんたなんだからな」
「わかりました、それじゃあこれからも」
「頑張っていけよ」
「そうさせてもらいます」
 来子はハヤシライスを食べつつ笑顔で答えた、そうしてそのうえでまた大阪城の方でハヤシライスを売り好評を得て笑顔になるのだった。


ハヤシライスよ永遠に   完


                 2018・10・17
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