純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 9
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どころか一考の余地すら無しって。どんな従属契約交わしてんだ、お前らは。
そりゃあ、プリシラやアーレストに言われたら、どんな内容でも最終的には頷くんだろうけどさ。
「クロちゃんには後で私から伝えておくから、よろしくね。レゾにゃん!」
私のツッコミは無視か。
「分かった」
「お前の懐柔のされ方はいったいどうなってんだ……って、おいコラ! ちょい待てバカ親父!」
「なんだ?」
話が纏まったと見て直ぐ様空間を移動しようとしたレゾネクトが、まだ何かあるのかと言いたげな目で私の顔を見据える。
…………マジか。
お前、本気でソコまで堕ちたってのか。
怪訝そうに首を傾げる幼児の表も裏も無い真っ直ぐな目線が、私の胸に否応無く現実を知らしめる。諦めて認めてしまえば楽になれるぞと囁きかけてくる。
だが、しかし。
無理だ。
こんな現実、私には到底受け入れられそうにない。
ふざけた呼び方は、ギリギリ「愛称」で片付けられる範囲内だ。それくらいならまだ良い。良くはないが、良いと思い込もう。どう考えても、止めろと言って止めてくれる相手じゃないしな。
けど……
けど、せめてっ!!
「服装に関しては目を瞑る。だから、せめて! せめて、頭に巻き付けてるそのリボンだけは外してから行ってくれ! 頼む!!」
「…………………………………………っ!!」
必死すぎる叫び声を聴いた瞬間の、驚愕と絶望に染まったヤツの真っ青な顔を。
私は一生忘れない。
てか、理由が理由なだけに、忘れたくても忘れられない気がする。
「(ちっ! 気付かれたか!)」
「小声のつもりか知らんが、バッチリ聴こえてるからな」
「あらまぁ、私ったら。うふふ……」
慌ててリボンを外すバカ親父の前で、口元を隠しながら楽しげに笑うプリシラ。
この女、なんで高位聖職者に選ばれたんだろう……。
※そんな訳で、マリア達の前に現れたレゾネクトは無事にいつも通りの服装でした※
vol.12 【(なに、この可愛い生き物…!)×2】
百合根を下拵え中の一幕。
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