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続・ユリアンのイゼルローン日記
第一章 初体験
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帝国ではローエングラム候が着々とその勢力を伸ばしているのに比べ、同盟ではクーデターなんて起きるほど、政治が行き詰まっている。

こんな時に、と提督は仰るのかもしれない。

でもこんな時だからこそ僕は軍人になりたいんだ。

だって、僕の尊敬するヤン・ウェンリーという人はこんな状況にあっても同盟のために戦いつづけているんだから。

四日後の出発には僕もヤン提督の従卒として同行する。

正直戦場に立つ事は怖い。

でも逃げない。

そう決めたんだ。

僕がヤン提督の被保護者となったのは、偶然なのかもしれない。

でも僕がヤン提督のお側にいる事は僕が決めた事だ。

ハイネセンに残る事ではなく、ここイゼルローン要塞に来る事を決めたのは僕なんだ。

僕はヤン提督についていく。

そしてたくさんの事を学ぶんだ。

いつか、提督のお力になるために。











七九七年 四月十七日


要塞の中は今日も慌ただしい。

ただあまり悲壮感のようなものは漂っていない。
お祭り好きのヤン艦隊といえど、ハイネセンに家族を残している人や、同じ国民を相手にするという事で不安に思ってる人も多いかと思ったのだが。

「考えても仕方ない事は考えないさ。特に軍人なんてものはな」

食堂でポプラン少佐に出会った時、そんな疑問をぶつけてみると、あっさりとそんな答えが返ってきた。

「その、少佐は気にならないんですか?
同盟軍同士で戦う事が」

「ならんね。いちいちそんな事気にしてたら墜とされるだけさ。
第一、俺が男の命なんぞ心配すると思うか」

そう言ってニヤリと笑った。

子供の僕にどこまで本音で語ってくれたのかは分からないけれど、ポプラン少佐もやはり軍人としての心構えみたいなものは身につけているんだな。

「もっとも同盟にはまだ女性パイロットはいないはずだからな。
もし居たとしたら、ヤバかったぜ」

腕を組んでしみじみと語る撃墜王(エース)の背後からもう一人のエースがトレイを持ってやって来た。

「ああ、ユリアン君。ソイツと話す時は気をつけなよ。話の半分は聞き流していい内容だからね。貴重な時間を無駄にするものじゃないよ」

「何を言ってんだ。俺ほどユリアンの貴重な青春づくりに貢献している人間が他にいるか」

ポプラン少佐が隣りの席に座るコーネフ少佐に反論する。

そういえばこの二人、食事を摂る時は大抵一緒にいる。
食堂以外の場所ではあまり二人一緒にいるところは見掛けないな。

「あの、ポプラン少佐にも伺ってたんですけど、コーネフ少佐は今回の戦いについて、どう思われます?」

さすがに同国人と戦って平気なんですか、とは聞けな
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