人の事を笑ってる場合じゃ無いんだぜ
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、先方も同じ様な顔でこちらを見てきたので、真犯人が居る事を察知。そしてそれが誰なのかも察知。
えぇ、まぁ……リュカ様なんですけどね。
作業の手は緩める事無く、鼻歌交じりで空の段ボール箱を持ち上げるように引っ越しを続ける。
深く考えず私も作業に没頭せねば……
少しの間、リュカ様の鼻歌をBGMに作業していたが、気が付けばボソボソと歌詞らしき物が聞こえてきた。
最初の内は「?僕の名前はヤン坊♪」って感じだったんですけど、何か探り探りな感じで歌を紡いでいくリュカ様。
如何やら引っ越し作業をしながら作詞作曲をしていたみたいです。
遂に全ての歌詞が出来上がると、徐に大きな声で歌い始めました。
?僕の名前はオジロン 君の名前はマオ・イアン♪
?二人コソコソ イチャイチャ ラブ♪
?君と僕とで イチャイチャ ラブ♪
?大きな声では言えないけれども♪
?毎日囁く アイ ラブ ユー とね♪
?君は私のペット 私はただの泥棒♪
?二人の仲に ラブは無い♪
?君は私の 情報源♪
?小さな事から 大きなネタまで♪
?つぶさに聞き出す 情報収集♪
「リュ、リュカぁぁぁ!!! もう許してくれよぉぉぉ!!」
リュカ様に歌われたオジロン元大臣は、顔を汚く乱しながら涙を流してしがみつく。
うん、泣く。こんな歌を歌われたら、私だって泣く。
同じ人物に騙された者として、私はこの歌に笑えない。
だが、お腹を抱えて笑う人物が一人居る……えぇウルフ新宰相閣下です。
他人の不幸を笑うのは、性格が捻曲がっているウルフ宰相閣下なのです!
「笑い事じゃ無いぞウルフ! お前もこんな歌を歌われてみろ……」
「はぁ? 俺は歌にされるようなアホなエピソードねーし」
そんな訳無いだろ。叩けば埃の一つや二つ、出てくる間抜けな青二才だろ。
私はソッとリュカ様に目で訴える。
私と目が合ったリュカ様は、少し首を傾げてブツブツと作詞作曲を開始する。
「う〜ん……?天才宰相 ウ〜ルポンポン♪……かなぁ?」
何そのキャッチーなフレーズは!?
耳に馴染むし、歌いやすそう。
これは出来上がったら是非とも世間に広めないと……
「今度マリーに相談してみるか。アイツならアニソン得意そうだし」
“アニソン”が何なのか解らないし、マリーさんに作詞作曲が出来るとも思えないけど、ベソをかくオジロン元大臣を嘲笑ってるウルフ宰相閣下には、リュカ様の呟きは聞こえてない様子。
是非とも奴には内密に制作して、気付く前に世の中に広めてしまおう。
私はリュカ様にだけ見える様に、小さくサムズアップして今後に期待する。
オジロン閣下を笑ってられるのも今の内だと思い知れ!
ユニSIDE END
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