番外編その1 鉄砲水と絆の英雄
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海の力を纏い、穢れた大地を突き抜けろ!地縛神 Chacu Challhua!」
「地縛神……!」
童実野町の中心で、闇が増幅した。ぽっかりと地面に空いた深淵の穴から、黒を基調とした全身に紫の模様が描かれる巨大なシャチが浮上する。やっぱりシグナーとダークシグナーの戦いなら、うちの神様にもしかるべきタイミングで出てきてもらわないと。
地縛神 Chacu Challhua 攻2900
『待ちくたびれたぞ、マスター』
「真打は遅れてやってくるもんさ。でもほら、そのおかげで最高のシチュエーションなんだから堪忍してよ。いくらマッシブ・ウォリアーの防御性能が優れていても、モンスターを無視して直接相手プレイヤーに攻撃ができる地縛神の前では無力。さあチャクチャルさんとっとと締めちゃって、ミッドナイト・フラッド!」
「これは決まったか!?」
マッシブ・ウォリアーの横をすり抜け、闇のパルスが空を裂く。十代が叫ぶ。遊星の場に残された、最後の1枚が表を向いた。
「トラップ発動、星墜つる地に立つ閃b!直接攻撃を宣言した相手モンスターの攻撃力が俺のライフを上回るとき、その攻撃を無効にしてデッキからカードを1枚ドロー。さらに俺のエクストラデッキから、スターダスト1体を特殊召喚できる!」
『しまった……!』
「これも止められたっ!?」
あと1歩で勝負が決まると思われたその時、天より振り下ろされたまばゆい星々の煌めきである光の柱がチャクチャルさんの攻撃を受け止め霧散させる。
「お前がダークシグナーである限り、必ず最後には地縛神を呼び出すであろうことは読めていた。ならば俺もこの戦い、シグナーとして迎え撃とう!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」
星の色をした光の柱が砕け、その中心から星屑の名を持つ天翔けるシグナーの竜がついにその姿を見せた。できればあれを出される前に決着をつけたかったところではあるけれど、それこそ虫が良すぎるってもんか。
スターダスト・ドラゴン 攻2500
KYOUTOUウォーターフロント(2)→(3)
「遊星もエースモンスターを出したぜ、遊戯さん!」
「見事な逆転だな。だがスターダスト・ドラゴンの特殊能力はこの状況にそぐわないし、攻撃力でも彼の場のモンスターを下回っている。エースモンスターを呼び出しただけで勝てるわけではないことは、彼自身が一番よくわかっているはずだ」
ダークシグナーの地縛神と、シグナーのドラゴン。対峙すべくして出会ってしまった2体のモンスターが、フィールドを挟み向かい合う。そうか。あれが、スターダスト・ドラゴンか。知らず知らずのうちに流れていた冷や汗を隠すように
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