暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第266話 藍子と木綿季とチョコレート
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〜其々のバレンタイン 藍子ver〜
バレンタインデーの日の横浜港北総合病院に隼人はいた。
実は今日が特別……と言うわけではなく、定期的に隼人は この病院に訪れている。
その理由は 仕事関係であったり、経過報告会に出席したり、用途は様々だが ほぼメインはお見舞い、というのが大きいだろう。いつもは 明日奈や玲奈、そして和人も共に来ることが多く、大所帯になる時だって多いが、今回は1人での訪問故に、仕事の比率の方が自然と多くの割合を占める形になるかもしれないが、それででも必ず、この病院で頑張っている藍子や木綿季のところへの訪問も忘れてはいない。
そして、今日という日。本来であればもっと濃密な訪問を――と言うスケジュールにしていたのだが、渚の叱咤激励もあって、しっかりと見直した、というのはまた別の話だ。
紺野姉妹の二人は日に日に元気になっていっている……。それは決して精神論だけでない。正直絶望とも思われていた病気の侵攻が完全に止まり、そして数値的にも改善していっているのだ。
彼女たちは、決して口には出さないが、それでも何処か、すべてを受け入れていた。病気のこと、――寿命というものを。
それは……
彼女
(
サニー
)
を失ったときからより顕著に表れていた。
でも、まるで導かれる様に 出会いを果たして、心からまだ生きたいと思う様になった。
それが兆しになったといってもおかしくはないだろう。
そんな彼女たちを見ると自然と周囲に笑顔がほころぶ。心から嬉しく思ってしまう。
そして、日々良くなっていく光景を見ていく隼人は、この光景を
彼女
(
サニー
)
と一緒に見たかった……と思わないといえばウソになる。
でもきっとどこか別の場所できっと2人を見守ってくれているだろう、とその都度、隼人は思うようにしていた。
そう――空を明るく、あたたかく照らす太陽のように。
「今日も宜しくお願いします」
「いえいえ、こちらこそ。皆さん待ち焦がれていますよ」
「……あの、やっぱり そこまで歓迎されなくともと思うんですが……」
「ふふ。恒例ですよ。もうこれは。申し訳ありませんが、諦めてください。隼人君」
「そう、ですか……。仕方ない、ですかね? あははは……」
隼人は、紺野姉妹の担当医の1人である古里先生と道中談笑をし、会議室へと通された。
ただ1人の10代である隼人。それ以降が20後半〜60代と幅広い年齢層。そしてその世界の重鎮とも言っていい経歴の持ち主。医師を志す者であれば、医師を目指す者であれば、誰もが名前を一度は聞いたことがあるであろう人物。
その中にいる隼人は
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