暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第3話 出迎える4人目
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なんかみんなあんまり汗かいてなさげだね。少し遠出してたはずなのに、どうしてみんなそんなにサッパリしてるの?」

「ああ、それは温泉行ってきたから」

「えー、いいなぁ。あたし1人で暗い道歩くの嫌だからって日が暮れる前に帰って来るためにグッとこらえてたのに……」

 興味本位で聞いた疑問によって3人が温泉に行った、という事実を知り、セレシアは残念そうな声をあげる。

 フローラとは反対に攻撃魔法の方が多い火属性の使い手であるセレシアだが、彼女の場合は撃退出来るか出来ないか以前の問題で、本人の言う通り暗いところがダメなために夜遅くの帰還を避けるのである。これは付き合いの長いエースたちもすでに知っていることであり、彼女も暗い場所ではお化けが絡んだフローラとほとんど同じ状態になるために洞窟や地下迷宮では4人で行くと否応なく男女ペアになるのである。

 その暗闇嫌いのセレシアの今は、というと、フローラの姿を少しの間じっと見た後、何かを決心したのかその口を開いた。

「ねぇ、フローラ、お願いがあるの」

「どうしたの?」

「今度、一緒に温泉行こ」

「うん、いいよ」

「やったね」

 懇願するセレシアに対して、あっさりとオーケーを返すフローラ。それを聞いて小さなガッツポーズをするセレシアの様子を見ると、よほど行きたかったのだろう、ということが簡単に分かる。ここまで来ると少し異常だな、とまで思えてしまうセレシアのフローラへの執着心は、エースには時々一友人としての枠を超えているように感じられた。

 過去に気になって一度だけ聞いたことがあったが、その時は「そんなわけないじゃん。確かにフローラのこと好きだけど、この好きはいわゆる『好き』とはまた違うの」、という答えが返ってきたので、多分一友人としての『好き』なのだろう、とエースは考えていた。

「あーいっそのこと4人で行っちゃう? それでもいいけど」

「別にいいけどなにそのついで感」

「プラントリナさんの場合は僕らをボディーガードとして使いたいだけだろう。自分の魔法じゃ色々と大変だからって」

「あははー、バレた?」

 ミストの少し呆れ気味の言葉に、セレシアが頭を掻きながら笑うところを見ると、どうやら図星のようだ。

 確かにセレシアの炎属性魔法は、使う場所と匙加減を間違えると山火事などの炎系災害を容易に起こせてしまうので、ボディーガードとしてエースやミストを誘いたくなる気持ちは、分からなくはない。いくら水属性魔法の使い手であるフローラがいたとしても、消火には時間がかかることが予想されるからだ。延焼でもすればもう手には負えないレベルである。

「そのくらい少し考えれば分かるよ」

「まぁ、でも下手にぶっ放されて燃やされるよりはマシか。俺ら
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