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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第1話 異例な双子
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ゃないか、色んな意味で」
そんな厄介な魔物が3体も目の前にいるが、例え松明の火が乏しくとも、この魔物を倒すのが今日の仕事。エースは渋々ながらも戦闘に突入した。
「まぁ、方法がないわけではないんだけども。『リオート・バレット・レイニング』」
松明の火が心配なので、掌の中に収まる剣は使わず、エースは空中で冷気を凝縮させて氷の礫を作り出す。氷属性のオーソドックスな攻撃魔法である『リオート・バレット』の派生魔法『リオート・バレット・レイニング』はエースの呼びかけに答えて現世に氷の礫を大量に作り出すと、重力に逆らう雨の如く真っすぐに放たれる。
魔物を構成するのは魔力である。彼らはその発生源である核をどこかに持ち、全身に行き渡らせていることで生き長らえている。
そのため、魔物の魔力の流れを妨害できる魔法攻撃は非常に有用なのだ。核を貫けば一発、そうでなくても魔法攻撃で流れを妨害し続ければ、人間の出血多量と同じような原理で魔物を倒すことが出来る。
しかしながら、エースの遠距離魔法の命中率はさほど高いとは言えないのが現状であり、3体のうち2体にしか当てられず、また倒せなかった。
残った1体はエースを見ながら、非常に遅い動きでそちらへと近づいている。
もう1度当てるべく、発射体勢を取るエース。頭の中に『また外したの? って言われそうだなー』という、ここが死と隣り合わせな場所であるとは全く理解していないような、緊迫感のない思考を抱えながら、詠唱を始めようとしたその瞬間。
エースの背後から、足音が響いてきた。迷宮の壁に反響するせいで近づくにつれて際立つその音は、エースにとって嫌な足音にも、救いの音にも聞こえていた。
「もう少し工夫というものをしたらどうかな、エース」
「あのなー、こっちは元々接近戦メインなんだよ。松明あるから出来ないだけで」
「それでもどうにかするのが工夫なんだけどね。まぁいいや。僕たちに任せてよ。『ヴィント・ブレイドウェイブ』」
エースの背後から、水属性魔法と風属性魔法が飛ぶ。水属性魔法がリビングデッドの動きを止め、寸分違わずそこに飛んだ風属性魔法が切り刻み、リビングデッドを構成する魔力が形を維持できずに霧散する。
そうして、少し騒めいた迷宮の中は、再び静けさを取り戻した。
「一応助かった。松明消えそうで怖かったし」
「だからあれほど言っただろう……。ペーパー切らしてないか確認しておいた方がいいよって」
「いやぁ、あると思ってたから……」
先ほど魔法の飛んだ方向から現れたのは、男女1人ずつのペア。エースに向けて話しかけているのは、松明を持った男のほうである。
彼の名はミスト・スプラヴィーン。風属性魔法を操る少年で、エースとは
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