Extra StoryU
ビビの心象T
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並大抵の事では驚愕に値しないようだ。
▽▲▽▲
古代の生物が蔓延る太古の島・リトルガーデンを発った後にナミさんが床に伏した。
顔は激しく上気し、呼吸も荒く、その場に立っていることも困難な状態だ。
明らかに普通ではない。
メリー号は瞬く間に大パニックに陥り、ルフィさん達が騒ぎ立てている。
アキトさんが即座にナミさんを寝室に運び、自分がナミさんの身体をタオルで拭き取った。
騒ぎ立てるルフィ達はアキトの拳で即鎮圧
余りの痛みにのたうち回り、声にならない叫びをルフィさん達は上げている。
アキトさん、容赦無いですね
だが、助かった。
これ以上声を荒げてしまえばナミさんの身体に響いてしまうだろう。
ナミさんに一刻の猶予も残されていないのは事実
だが、それと同時にアラバスタ王国も刻一刻と破滅のレールを渡っている。
正に板挟みの状況
ナミさんを選択するか、アラバスタ王国を選択するか。
葛藤に苦しむそんな私を見兼ねてか、アキトさんが声を掛ける。
その冷静かつ王女としての選択は間違っていないのだと肯定してくれた。
今、アラバスタ王国を優先したとしても解決できるわけでもないのは事実
ならば今ビビがすべきことは後で後悔しない選択をすることなのだと
それはアキトさんにとって気休め程度の言葉だったのかもしれない。
葛藤に苦しむ私を元気づけようと何と無しに出た言葉なのかもしれない。
だが、その言葉で私は救われた。
思えばこれがアキトさんを特別視するきっかけだったのかもしれない。
アラバスタ王国王女である私はまだまだ未熟だ。
あの時、あの場で選択したことは間違っていなかったのだろうか。
私は本当に正しい選択をしているのか。
何度も自問自答したことは数知れない。
そんな自分の背中を後押ししてくれる。
肯定してくれる。
それだけでどれだけ救われることか。
彼は、いや、アキトさんは分かっているのだろうか。
見ればアキトさんはその端正な顔を曇らせ、ナミさんを見ている。
苦し気に呻くナミさんの左手を心配げに握り締め、彼女の傍から一時も離れない。
その紅き瞳にはナミを救い出すという強い意志が宿っていた。
この瞬間、自身の心の内に憧憬の念が生まれた。
こんな状況でこんな思いを抱いてしまうのは不謹慎だと分かっているが、思わざるにはいられなかった。
心より一人の男性から身を案じられ、想われるナミさんのことを少しだけ羨ましく思ったのだ。
自分の傍にもそんな男性がいれば、どれだけ心休まることか
どれだけ救
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