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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第265話 詩乃とチョコレート
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ねない。
「んん………っ」
隼人もその空気を感じ取ったのだろう。ばつが悪そうに表情を今更隠そうとしていた。……無駄な努力である。
詩乃は、腰が抜けてもおかしくない状況だが、一瞬で身体を回復させた。エクス・ポーションやアスナの
全体回復魔法
(
プリ・キャスト
)
も真っ青な
自動回復
(
バトル・ヒーリング
)
だ。
状態異常
(
フリーズ
)
もしっかりと回復し、手足も問題なく動くのを確認した詩乃は直ぐ行動。
「りゅ、リュウキっ!」
「………ああ」
延ばされた手を掴むと 即座に走り出した。一先ず目と鼻の先にある横断歩道目指して。
幸いにも、信号はまだ赤になっていない。……が、もう直ぐ赤に変わろうと点滅している。赤に変わりきる前に、駆け抜ける勢いでダッシュした。
隼人もその意図を察して、連携を上手くとり……と言うより、自分自身もこの場よりさっさと
脱出
(
エスケープ
)
したいと言う気持ちが非常に強かった為、詩乃に合せる事が出来た様だ。
この光景が、2人で手を繋ぎ、走り去っていく光景が、またまた色々と誤解を生む結果になるのはまた別の話。勿論――詩乃にとって、それ(誤解された事)は、正直少しばかり嬉しい事だったりするかもしれない。
横断歩道を走り抜けて、路地裏を超えて―――到着したのは中央公園。
「詩乃。そろそろ大丈夫だ。落ち着け」
「はぁ、はぁ……」
ぐいぐいと引っ張る手を隼人が引っ張り返し、落ち着かせた。
隼人自身も正直慌てふためいていたのは事実だが、詩乃がそれ以上だったから 比較的落ち着く事が出来た様だ。この手のハプニングは嫌と言う程体験しているから、と言う理由が最大かもしれない。特にSAO時代、それはそれは酷かったから。攻略以外で頭を悩ませた内容No1に分類される事例だ。
そして、頭を悩ますのは今の詩乃も同じだったりする。
「……そう。……はぁぁ。明日から、どーすれば良いって言うのよ……」
そう詩乃にとってはこれから。隼人の様に過去ではなく、これからの未来。確実に起こる未来に頭を悩ませていたのだ。
そんな詩乃を見て首を傾げるのは隼人。
「ん……。普通に説明をすれば良いんじゃないか? 危なかったのは事実だし、状況を鑑みると理解してもらえると思うんだが」
「……そりゃそうなんだけど、……女子の噂好きと、周囲への情報拡散能力を正直リュウキ、舐めてない? ある意味アルゴが可愛く見える程なのよ?」
「??」
「はぁ……」
年頃の女の子。女子学生と言うものは、色恋沙汰の話は大好物。そんな生き物だ。
あんな場面を一度ならず二度までも見せて、黙っている訳が無い。色々と追及されると言うのも目に見えて頭が痛くなると言
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