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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第265話 詩乃とチョコレート
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様に一緒に倒れた。その瞬間、風を裂く様な音と共に、原付が通り過ぎた。信号無視での交差点への侵入。運転手も慌てていた様で、バランスを崩しかけた様だが、何とか立て直し 幸いにも事故を起こす事なく、そのまま去っていった。
「……ッ。ちゃんと前を見て運転しろ。……あんな奴にバイクに乗る資格なんかあるか」
ひき逃げも同然の感じで逃げていくドライバーを見て、同じバイク乗りとしても腹立たしく、忌々しそうに睨みつけながら口にしている。
それを聞いて、漸く詩乃は自分の置かれた状況を理解する事が出来た。あまりにも散漫だったと言う事実も。
「詩乃。大丈夫か? あれは向こうが悪い、が。詩乃も何だかぼーっとしてた気がするぞ」
そして、誰が助けてくれたのかも理解出来た。
「ご、ごめんなさい……」
「いや、怪我無くて良かったよ」
「うん。……ありがと。リュウ……、隼人」
身体を抱き、そして助けてくれたのは隼人だった。
基本的には隼人の身体はごく一般。普通の学生と大差ない平均値だが、人並み以上に身体を鍛えている。だからこそ、詩乃を簡単に抱き寄せる事が出来たのだ。……慌てていた事もあったから、倒れてしまったが、大怪我をさせずに済んだ事に隼人は安堵していた。
「ふぅ……。ほら」
ぽんぽんっ、とズボンの砂埃を払い、そして立ち上がると詩乃の方に手を差し出した。
それをそっと受け取る詩乃。……何だか、映画やアニメのワンシーンの様で美しくさえ思える。夕暮時の太陽の光が紅く周囲を照らして、隼人の顔も夕焼け色に染まっていて、何処か後光も見た気がした。
「ありが………と………?」
そして、ここでもう1つ気付く事が出来た。
今の時間帯は普通に学校の下校の時間帯。別に夜遅い訳でも無いし、通行人が少ない時間帯でもない。それも学校の傍も傍。つまり―――。
「わー! わー! 朝田さん、良いなぁ! すっごく格好良く助けてくれてー」
「前に来てた格好、可愛い人じゃんっ! 何でもない〜 とか、ただの友達〜 って言い訳みたいにしてたけど、やっぱ妖しいなぁー?」
「凄いね、あの一瞬でさー。私なんて、気付けたんだけど、全然動けなかった……」
「ああ言うシチュ。リアルでやる様な男っているんだ……。マジでリスペクトするぜ……」
「良いバイク乗ってるのは良い男ってか。……ケチな原付のって信号無視すんのって最低だよなぁ? オレ、あの車種、免許とっても乗らねー」
野次馬が沢山いる、と言う事だ。
それも詩乃にとっては最悪の部類……、つまり同学校の、それも同級生たちが多い。以前の隼人校門前事件? ででも 色々と頭の痛い思いをしたと言うのに、これは更に厄介極まりない事になってしまいか
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