第十四話 堕天使とメイド
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「フォオン。」
アルマロスは、シエスタの手を取り、字を書いた。
『また暇があったら教えてあげる』っと書いた。
「あ、ありがとうございます。」
シエスタは、頬を染めてお礼を言った。
***
あの日の夕方から、シエスタとは、親しくなった。
彼女の仕事の合間にデザートや果物の切れ端を持ってきて談笑(筆談)したり、踊りを教えたりした。
「アルマロスさんって、どこから来られたんですか?」
「フォォ…。」
それを言われると困る。
なんと説明したらいいか分からないからだ。
「もしかして、ロバ・アル・カリイエから来られたんですか?」
なんだそれっと思ったが、聞いたら東方の未開の地らしい。
とりあえずそこから来たということにした。自分の正体を隠しているのもあるので。堕天使だなんて言ったらまた怯えられちゃうかもしれない。
「そうなんですか? でもアルマロスさんって、その…、なんというか…。」
おっとばれたかっと思ったら違った。
「ゲルマニア系とも違いますし、やっぱり東方から来られたんですね。」
「フォォン。」
君は、どこから来たのっと聞いてみた(筆談)。
「私ですか。私は、タルブという村からこの学院にご奉仕に来ています。辺鄙な村ですが、草原が綺麗で…。」
故郷を思い出し、目を閉じて語る彼女の言葉。アルマロスはほのぼのした気持ちで聞いていた。
「あの…アルマロスさん…。」
「フォ?」
「よかったら、私の村に来ませんか?」
「フォォン?」
「…あ、あの…変な意味じゃないんです。ただ踊り教えてもらったお礼なんて私にできることなんて限られてて…、でも今の季節、草原のお花が綺麗で…、その……。故郷の弟達にも教えてあげたいなって思って…。」
なるほどっと、アルマロスは思った。
しかしそうなるとルイズからの許可が必要だ。
果たして許可が下りるだろうか?
キュルケをライバル視して、必死にアルマロスを取られまいと強い気に出ている彼女だ。さすがにシエスタにそんな態度は…、とるまい。
ルイズに聞いてみると、アルマロスは返答した。
***
その夜。
早速ルイズに、シエスタの故郷に行ってみてもいいかと聞いてみた。
「ダメよ。」
速攻で却下された。
なんでっと聞こうとすると、ルイズは、アルマロスの目の前に、古い本をずいっと見せてきた。
「使い魔わね。主と一心同体なの。それなのに離れるなんて許さないんだから。」
「フォオン…。」
「それと、私、大役を任じられたの。」
「フォ?」
「姫様の結婚式の際の巫女に選ばれたの。この本は始祖
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