第十二話 封印されていた、魔
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ンに残ったのだと思います。」
「わたくしのため?」
「亡命してしまったら、同盟が崩れてしまうと思ったのでしょう…。」
ルイズは、アルマロスを見上げた。アルマロスは、頷いた。
アンリエッタは、深く息を吐き。
「……残された女はどうしたらよいのでしょう?」
「私がもっと強く説得していれば…。」
「いいのよ、ルイズ。あなたは立派に役目を果たしました。それに私は、ウェールズ様に亡命を勧めて欲しいなんて言っていないのですから。」
それからアンリエッタはにっこり笑った。
自分の婚姻の妨げは防がれた。
ゲルマニアとの同盟は結ばれ、アルビオンはそう簡単には攻めてはこないだろう。危機は去ったのだと告げた。
ルイズは、右手の薬指から水のルビーを外した。
「姫様、これ、お返しします。」
「いいの、ルイズ。それはさしあげます。せめてものお礼です。」
「ですが…。」
「いいからとっておきなさい。」
ルイズは、頷き、水のルビーを再び指にはめた。
「フオォォン。」
アルマロスは、風のルビーをアンリエッタに渡した。
「これは、風のルビー! どうしてこれを!」
「……。」
「そうですか…。」
黙っているアルマロスの様子に、アンリエッタは何か悟ったのか、哀し気に表情を曇らせ、風のルビーを指にはめ、呪文を唱えた。するとブカブカだった指輪が彼女の指にぴったりのサイズになった。
「優しい使い魔さん…、ありがとうございます。私は、勇敢に生きていこうと思います。本当に、ありがとう。」
哀しそうな、寂しそうな笑みを浮かべたアンリエッタは、風のルビーを撫でながらそう言った。
***
トリスティン城から魔法学院に戻る空の上。
ずっと黙っているルイズとアルマロスに、キュルケが任務の内容についてなんやかんや聞いていた。
だが二人とも答えなかった。
「あれだけ手伝わせておいて、教えてくれないのぉ?」
キュルケがついてきたのは、彼女の勝手なのだが…、っとアルマロスは思ったが、言う気は起きなかった。
「おまけにあの子爵が裏切り者だったなんて。でもダーリンが倒したんでしょ?」
「フォオン。」
「結局どんな任務だったの?」
アルマロスは口をつぐんだ。
キュルケは、ギーシュを見た。
ギーシュは、自分は知らないと首を振った。
取り戻してほしいと言われた手紙の内容までは彼は知らないのだ。
キュルケは、ブーブー文句を言ってタバサにも意見を求めたが、タバサは興味なさげに本を読んでいるだけだった。
ルイズは、ソッとアルマロスに身体を預けるように身を寄せた。
アルマロスは、何も言わず、ルイズの肩を抱いた
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