IFのIF だ〜れだ
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情からは、彼女が何を考えているのかさっぱり分からない。
思わず、数歩後ろに下がるカブルー達を、ファリンは、ニコニコ笑ってみている。
なんだ、この得体の知れない圧迫感というかなんというか……。
コイツを殺せば、迷宮を封印できるのにと頭では分かっていても、身体が動かない。
これが、迷宮の主となった者の末路なのか。っと、カブルーが思ったとき、チュンッと音がしてカブルーの右頬が僅かに切れた。
そして、何かが倒れる音がした。見ると、ダイアの首と胴体が離ればなれになって倒れていた。
「兄さんにトドメを刺したのは…、あなた…。次に。」
ファリンが杖を持っていない方の手を出すと、その手にどこからともなく現れた魔術書が降ってきて勝手にパラパラとページが開かれた。
「兄さんの首を取ろうとしたのは……。」
「っ!!」
「あなた。」
すると、周囲にあるタイルや床が蠢きだし、数体のゴーレムとなった。
「ただ潰さないで。足を潰して、手を潰して、最後に心臓を。」
ニコニコとそれはそれは、素敵な笑顔でファリンが笑い、歌うように命じる。
うなり声を上げながら即席のゴーレムが襲いかかってきた。
即席とは言え、ダンジョンの魔力を大量に使用されたゴーレムは、三階のゴーレムよりも圧倒的に凶暴だった。
間一髪でカブルーは、その拳を避け、逃げ回る。ゴーレム達は、カブルーを攻撃するよう命じられているのか、カブルーのみを狙ってくる。
リンが稲妻の魔法を唱え、ゴーレムの一体を破壊した。しかしすぐに元通りになる。
「首の根元! 赤い何かが埋まってた!」
ミックがゴーレムの核を見つけ、クロがゴーレムの背に飛びついて、首の根元に埋まっている赤いモノを掘り起こした。
するとゴーレムは、倒れ、崩れた。それを繰り返し、なんとかゴーレム達を全滅させた。
「へ〜。」
ゴーレムが倒れてもファリンは、ニコニコ。
「じゃあ、次は……。」
すると、ライオス・ドラゴンキメラの血だまりから、小さなドラゴンのようなモノが大量に出現した。
「食べられちゃえ。」
ブワッと小さなドラゴン達が、襲いかかってきた。
「リン!」
「分かってる! キャッ!」
凄まじいスピードで飛んできた小さなドラゴンに、リンの首を大きく切られた。
「あ、ああ……。」
噴水のような勢いで噴き出す血を手で押さえるも、意味は無く、リンは、膝をつき、そして倒れた。
「うふふふふ。」
ファリンは、子供のように無邪気に笑う。
襲いかかってくる小さなドラゴン達に傷つけられながら、カブルーは、ファリンを睨む。
ファリンは、カブルーの睨みなどまったく気にすることなく、杖の先を向けてきた。
次の瞬間、
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