IFのIF だ〜れだ
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だ〜れだ、だ〜れだ
××××を殺したのは、だ〜れだ
その女性の歌声を聞いた者達は、必ず、死ぬ。
「って…、噂を聞いたな。」
「ちょっとミック。怖いこと言わないでよ。」
「その××××(ちょめちょめ)の部分はなんだ?」
「さあ? だいたい聞いたら確実に死ぬって話だし、全部聞いた奴なんて誰もいないんじゃないのか?」
「……それより…。」
「ああ…。」
カブルー達は、話を止めて、問題のブツ(?)の方を見た。
人間の上半身と、鳥とドラゴンを合せたような巨体。
確かライオスという名前の人間がキメラとなった姿だっただろうか。
そいつを、自分達は、仕留めてしまった。
だって、襲ってきたのだから仕方ない。
以前、人畜無害とされていた彼に襲われ、リンに至っては腕を食われた経験がある。
さらに近頃、迷宮の変動も激しい。それも関係しているのだろうか?
「どうすんのさ、コレ?」
「どうするって……。」
「確か冒険者宿に、コイツの懸賞金の紙が貼ってあったな。」
「えっ? 持って帰るの?」
「全身は無理だが、身体の一部なら持ち帰れる。いつもの賞金首の持ち帰りと同じさ。」
「えっ…、ってことは、首を持って帰るの?」
「首と、羽根と、爪を持って帰ろう。それで十分証明できるさ。」
そう言ってカブルーは、死んで倒れているライオス・ドラゴンキメラの首に向かって剣を振り下ろそうとした。
だ〜れだ
「? ミックか?」
「僕じゃないよ。」
「リンな…わけないしな。」
だ〜れだ、だ〜れだ
「…聞いたか?」
「う、うん。」
「嘘でしょ…?」
「みんな、気をつけろ。」
そう言って周りを警戒して構えたときだった。
「兄さんを殺したのは、だ〜れだ。」
すぐそこで、女性の声が、直に聞こえた。
バッと見ると、そこには、回復役に見える魔法使いがライオス・ドラゴンキメラに手を置いて立っていた。
その顔には、見覚えがあった。
「ファリン…さん?」
「もう、兄さんってば、ドジなんだから。」
ファリン(?)は、カブルーの僅かに戸惑った声を聞かず、ライオス・ドラゴンキメラの傍にしゃがみ込んだ。
「お腹すいてたなら、私を食べれば良いのに……。」
「まさか、近頃の迷宮の変動は、あなたが?」
「兄さん、ちょっと待っててね。」
立ち上がったファリンは、カブルー達の方に振り返った。
その顔は笑っていた。実に素敵な笑顔だ。
ライオスによく似た顔立ちの金色の目がカブルー達を映している。
その金色の目や表
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