IFのIF 妹が美味しそうに見えて仕方ない
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出ている。
「僕としては、迷宮の主が死んでくれた方がいいですけどね。」
「…やめろ…。」
「いやー、こんな悲劇があるんですね。兄が魔物になって、妹がダンジョンの支配者になるなんて。」
「うるさい…。」
「あなた、まだ自分が人間だと思うのなら、死ぬことをおすすめしますよ。そんなおぞましい姿で生きていけるなんて、まともな人間の精神じゃ無理だ。」
「黙れ…。」
「もしそれを受け入れた上で自分が人間だなんて思っているのなら、あなた、人間でありながら魔物だったというこになりますよ。」
「ちょ、ちょっと、カブルー。いくらなんでも言い過ぎよ。」
「そうだよ。いくら、アイツ(ライオス・ドラゴンキメラ)がこの迷宮じゃ唯一冒険者には無害だって言っても…。」
「別に。本当のことを言ってるだけじゃないか。ねえ? ライオスさん。」
『ああ、美味そうだ…。』
プツンッ。
そんな音を、ライオスは、自分の中から聞いた気がした。
***
気がつくと、ライオスの周りには、カブルーの仲間達の死体が転がっていた。
そして自分が何を噛んでいるのか気づいた。
確か、リンという魔法使いだっただろうか…、切り離された彼女の腕の肉を食べていた。
吐き出さないと!っと慌てて考えるのに、口がクチャクチャと肉を噛むのをやめない。
どうして!? 自分の身体が言うことをきかない。
そしてなにより……。
人間の肉が美味いだなんて、おかしいだろ!!
「ああ…、やっぱり、あんたは魔物だよ…。」
カブルーの弱った声が、足元から聞こえた。カブルーは、ライオスの前足で踏まれて血を吐いていた。
「魔物は、何を考えているのか分からない…。それは、あなたの言葉でしたっけ…?」
「っ…。」
「それは…、あなたに向けられるべき言葉ですね…。」
「うるさい…。」
「さっさと…とどめ刺してくださいよ……。痛いん…ですから…。」
「うるさい…。」
「……あなたを見て…、もしかしたら…なんて…希望を…持つんじゃなかった……。」
「うわあああああああああああああああ!!!!」
ライオスは、頭を抱え、絶叫しながら、前足を上げて、カブルーを踏み潰した。
全滅したカブルー達の遺体を残し、ライオスは、頭を抱えたまま走って飛んで逃げた。
***
「兄さん? 兄さん! どうしたの、その血! 冒険者に襲われたの!?」
「ファリン…。」
「今、治してあげるからね!」
「……美味そうだな…。」
「えっ?」
「腹減ったんだ…。ファリン…、食わせてくれ。」
「にいさ…。」
ファリンは、最
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