IFのIF 妹が美味しそうに見えて仕方ない
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ファリン達の尽力により、狂乱の魔術師は倒され、迷宮の呪縛からライオス・ドラゴンキメラは、解放された。
正気に戻ったライオスは、まず。
「なにこれ! 俺、カッコいい!」
っと、キメラと化した自分自身を見て叫び、マルシル達(ファリン抜く)を呆れさせた。
何はともあれ、ライオスを解放できたことに安堵し、ファリンが迷宮の主になることで、迷宮を支配下に置いた。
ファリンは、トールマンであるため、寿命のことを考え、兄と過ごせる時を保つために迷宮の主となることを選んだ。
そのことにライオスは反対したものの、結局は押し切られ、また自分自身もキメラと化してしまったため、迷宮でしか居場所がないこともあり、受け入れた。
魔物マニアで、キメラ好きのライオスは、キメラそのものになった自分を見てナルシスト顔負けに喜んでいた。
迷宮に来る冒険者の前に現れて、びっくりさせて追い返したり、センシから習った魔物食にはまったりと、迷宮生活を楽しんでいた。
ところが…、徐々に彼は元気を無くしていった。
「兄さん? 最近元気ないね。どうしたの? 悩み?」
「えっ? あ…別に、何もないよ。」
「嘘。兄さん隠し事苦手なのに、嘘はいけないよ?」
「…すまん。ファリン。少し離れてくれないか。」
「えっ、どうして?」
「近い…っていうか。」
「えっ? いつもこれくらい近くにいるでしょ?」
「…離れてくれ。」
「…? …分かった。」
そっぷを向いて力なく言うライオスに、ファリンは渋々離れた。
ファリンが離れるとライオスは、素早い足取りでファリンから離れ、迷宮の主の住まいから出て行った。
***
ブクブクブクと、四階の湖が泡立つ。
「ブハッ!」
ライオスは、水の中から飛び出した。
下半身の上体部分を陸地に上げ、ハーハー…と、必死に呼吸する。
「……妹が美味そうに見えるなんて…おかしいだろ。」
それがライオスの最近の悩みだった。
頭を冷やそうと思い、四階に来て、水に浸かっていたのだ。
ビショビショに濡れた頭をかきむしる。
おそらく混ざっているレッドドラゴンの魂の影響だろう。そこらの魔物より人間が美味そうに見えるのは。
実際、死体を見かけた時に、つい食べかけた時があった。
「ファリンは、食べない…。迷宮の主を食べるなんて…。俺は、まだ人間のはずだ…。」
ライオスは、頭を抱え、ブツブツと呟く。
「だったら、死ねばいいじゃないですか。」
「!?」
そこに男の声が聞こえた。
見ると、褐色の肌の男、カブルーがいた。
初めて見かけた時より、年を重ねて冒険者としての貫禄が
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